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2014/03/30 21:09
大井の名馬(ジーエスライカー〜全てが早すぎた馬〜)
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『チョーノさん、東京スプリントの枠順が出ましたよ〜楽しみすね♪』
『うん地方馬にもチャンスがあるんじゃないかな』
『短距離路線ならって思いますよ』
『でもねぇ…短距離こそ中央馬との差はいかんともし難いのさ』
『え?』
『あの馬を見ていてそう感じた…』
一昨年の秋に、大井競馬に届いた訃報。ジーエスライカーが調教中による事故で…急逝5歳の若さでした
ジーエスライカーは2歳で大井の栗田裕光厩舎へスピードは注目されました
明け3歳になりクラシックを意識した陣営は、京浜盃に向け…まずは雲取賞へ出走スピードはあるが、ゴール前での踏ん張りに欠ける内容に…どうやら短距離馬とゆう印象が強く残りました
迎えた京浜盃は戸崎騎乗もあり、4番人気。しかしクラシックを意識する面々に対しセンロクすら粘れない馬では…
レースは逃げるはずの馬が行き脚悪く、一人旅でスイスイ羽田盃馬になるシーズザゴールドを退き、まさかの優勝
京浜盃と言えば羽田→ダービーに直結するレース羽田盃に出走も惨敗し、更に戸塚記念でも同じように息切れ
これで正式に短距離路線へシフトチェンジしたジーエスライカー□センニのA2特別で、いきなり歴戦の古豪を完封
翌年の船橋記念では、前年覇者のスリーセブンスピンや古豪フジノウェーブを破る優勝□短距離適性を開花させます
その後は勝ち切れずも…南関短距離の新星として、安定した成績を残す
しかしこの時期同じく、中央馬と凌ぎを削ったのが笠松のラブミーチャンラブミーチャンは自在性を身につけ、番手から抜け出す競馬が出来るようになりました
しかしジーエスライカーというと、出足が良いとゆう…他馬なら好都合になり得る事がスピードで、単純な競馬しか出来ないとゆう欠点になっていったのです。
ラブミーチャンとの対戦では…テープを回すかのごとく、先頭のジーエスライカーを番手のラブミーチャンが交わすとゆうレースが続きました
これが中央馬との対戦となれば尚更で…トップ引きの役割を果たし、簡単に直線で飲み込まれてしまいました
速いのは解った…ただ中央馬らを相手にする為には、あと一つが足りない最後の踏ん張りでした
名古屋移籍から、再び大井に帰ってきたジーエスライカーが、アフター5スター賞を制しても…栗田調教師は
『ダメだ。こんなんじゃ中央馬には敵わない』
とインタビューで語ります速さに強さが加わらなきゃ…
秋の東京盃でも、やはりジーエスライカーは逃げましたスピード馬も敵わないスピードで…しかし直線残り一ハロンで捕まる4着は相変わらず変わり映えのないモノ
単純に見ればこれが限界かもしれないジーエスライカー5歳の秋まだ時間はあるはず…
しかしそんな陣営の期待は崩れ去ります
調教中の不慮の事故でした
戦法と同じように、たった5年の生涯を駆け抜けてしまったジーエスライカー…
昨年セイントメモリーが交流重賞を制覇する偉業を成し遂げました
セイントメモリーも、かつては重馬場で強い反面…力の要る馬場では厳しい『非力なスピード馬』でした
大事に育ち、苦手を克服し、今や大井で現役唯一の交流重賞優勝馬です。
今も元気だったらジーエスライカーも7歳…あのテンのスピードが違った形に変わっていたかもしれないと、今ふと思います。だからこそジーエスライカーが越えられなかった壁を越したセイントメモリーには、頑張ってほしい
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『別に亡くなった馬で涙を誘ってないからね?』
『セイントメモリーのオッズが下がったらチョーノさんのせい…』
『俺も困るなぁ(笑)』