大井のシービスケット

昨日書いた『貞子３Ｄ２、２Ｄバージョン』ですが(ややこし)

ネタバレになりますが、貞子映画に…貞子さんが出演しないとゆう
昏睡の石原さとみの髪の毛が５メートルくらい伸びてたシーンは笑ってしまった…まぁ残念な事に、結末が中途半端で…これは続編が出来そう(笑)

苦笑すら出る貞子3Dと違い、シービスケットは感動。この映画の『人馬共に諦めない』とゆうテーマ…実はかつて大井競馬場でよく似た事例がありました

※ＴＣＫサイトのコラムから抜粋しています



ダート界の春の総決算、帝王賞フリオーソと、そしてチヤンピオンスターの２頭のみ
チヤンピオンスターは４歳で初制覇し、２度目の優勝は７歳

乗り役は当時の大井で、重鎮として存在感を放った高橋三郎さん。東京記念や金盃を制し…南関を代表する馬に成長

しかし帝王賞に向かおうとゆう矢先…主戦の三郎さんが調教中に馬の下敷きになり、右足に重度の怪我を負う


一時は切断と宣告される怪我でしたが、転院し…なんとか右足は残せた。ただ、騎手にとっては致命的な怪我であり…日常生活は出来たとしても現役復帰は絶望的と言われます
TVで帝王賞を観戦するサブちゃん…自身が乗るはずのチャンピオンスターの手綱は船橋の豪腕、桑島孝春が握る
レースは後に中央で活躍するイナリワンやジョージモナークを封じての優勝。喜びの中に…三郎さんの中には悔しさもあった

『必ず…またスターの背中に乗ってやる』


辛いリハビリを経て、７ヶ月後…ついに戦線復帰した三郎さん。この時期には既に大井リーディングがエースの的場文男に変わり、重鎮としての位置付けに落ち着いていました

そして９月の東京記念。相棒にはチャンピオンスター。久々のコンビ復活

しかし喜びも束の間…悲劇。直線に入り全く伸びがないスター
不治の病…屈腱炎



本来なら即引退にもなる重傷でした。しかし当時４歳のチャンピオンスターを、このまま終わらせてなるかと…現役続行を決意
脚と相談しながら懸命の治療を施します
海水治療なども試みて、当時はサブちゃんも通いつめたそうです

治療の甲斐もあり、スターは復帰。気づけば２年が経ち、長い休養のの間に、共に戦ってきたライバル達は皆大井を去っていました
帝王賞馬がゼロからのスタート。しかしスターは死んでいなかった

かつて自身が制した、東京記念で２年半ぶりの重賞制覇。もちろん次に狙うは、黄金コンビで取り損ねた帝王賞

中央からは強豪ナリタハヤブサや懐かしのミスタートウジン
南関からもテツノヒリュウ・ジョージモナークらが参戦し、笠松の猛者マックスフリートも安藤勝己と乗り込んできました

無事に復帰したとは言え全盛期は３年前の話。下馬評では、過去の馬でしか無いチャンピオンスター
それはサブちゃんとて同じで、時代は的場文男や石崎隆之らに完全に明け渡していた
しかし三郎さんはスターに語りかけます


『さぁ行こうや…老いぼれ同士、もう一頑張りせにゃ』


道中はインに構え、脚を温存。ナリタハヤブサ、ジョージモナークら強豪がひしめく
勝負所で人気を集めた笠松のマックスフリートが置かれていき、中央のナリタハヤブサも動きが悪い〓そんな中、スルスルとインから進出するチャンピオンスター

『チャンピオンスターが先頭に立った！お前がチャンピオンだ！〓』

及川サトルの名調子。彼は伸びた…嘘のような脚で。
やはり痛む屈腱のせいか、内にヨレながらも…懸命に走り優勝

『おい！ロートル同士、よく頑張ったな(笑)』

共に引退の危機から復帰したチャンピオンスターと三郎さん
その後中央のオールカマーに向かうも…レース中に再び屈腱炎を発症し引退
当時勝ったのは同じ大井の早田秀治とジョージモナークだったのも、また深い話

種馬として活躍が期待されるも…精虫に異常が見つかり、種馬としては失格の烙印を押される。残念ながら種牡馬引退

しかし一頭の牝馬がチャンピオンスターの仔を受胎します
父と同じ栗毛の牝馬
アレチャンピオンと名付けられ、父の相棒である三郎さんで大井で活躍
アレチャンピオンはスターの唯一の産駒として、その血を残すために早々と引退し、繁殖入り。その産駒は競走馬としてデビューし…母の父として細々ながら今も血が残っています

まさに奇跡を起こし続けた馬

シービスケットに負けないくらい…映画のような物語