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2014/06/21 21:04
帝王賞 厳選名勝負 2006年
2006年
3年前に大井で実施された企画が、ファンが選ぶ『TCKベストレース』
数ある大井の名勝負の中から、ファン自身がナンバーワンと思うレースを投票する企画帝王賞でした
一騎打ち…名勝負の部類で最もシンプルで解りやすく、また馬券を握りしめるファン、関係者にとっても単純にどっちが勝つか素直に感情移入出来る
この年の焦点はただ一つ
中央の最強ダート馬、カネヒキリ
迎え撃つ地方最強馬である船橋アジュディミツオー
地方最強と中央最強…どっちが強いのか
他の出走馬は刺身のツマとなり、戦前から一騎打ちの様相が強まっていました
アジュディミツオーのヤネは大井所属だった内田博幸2年前に20年続いた石崎的場時代に終止符を打ち、リーディングを獲得□
前年には佐々木竹見氏の持つ年間最多勝記録を更新し、先人達を次々に凌駕して行く姿はまさに南関新時代のエースにふさわしい活躍ぶり
しかし…この帝王賞だけは縁が無く、97年にはコンサートボーイに騎乗予定のはずが騎乗停止になり的場文男に乗り替わり勝利など運も無く…どうしても地方有力馬が石崎さん、的場さんらに集中していた事もありました
前年にダービーを制し、この頃には中央移籍が噂され…取り残したタイトルが帝王賞
絶対的な信頼を置く川島厩舎のアジュディミツオーでは、川崎記念、かしわ記念優勝に大賞典を連覇するなど、既に内田にとって地方のベストパートナーと呼べる馬でした
カネヒキリも3歳にしてJDDからJCDを制し、勝負服とヤネも被る事から『砂のディープインパクト』とまで呼ばれ…この帝王賞を勝てば、文句無しに砂を統一する事になります□
レースはアジュディミツオーの逃げカネヒキリは好位4番手辺りから進める
ピッチを上げ逃げ込みを図るミツオーに、3コーナー過ぎにカネヒキリが襲い掛かるこの辺から他馬は蚊帳の外
昨年覇者のタイムパラドックスも中団のまま、サイレントディールが唯一3馬身差に留まるのが精一杯
直線に向き追い出す武豊に対し、ミツオーの内田は一呼吸置いてスパート
『こっから二段ロケットだ□』
実況の通りに真骨頂の2の脚を使い、再び振り切りにかかる
しかしカネヒキリもジリジリと差を詰め、懸命に追い掛ける
大井外回りの直線を2頭だけが駆け抜けるようでした
結果は、初制覇に燃える内田のミツオーが凌ぎ切り…地方馬久々の優勝を勝ち取りました
名勝負は、ただ僅差の叩き合いをすれば生まれるワケじゃない…
2頭がピークの状態であり、騎手が馬の力を全て出し尽くしての戦い
これは定義でしょう。自分は結果的に2位だった97年を、生涯のベストレースとしていますがこのレースの一位にも何の異論も無い
アジュディミツオーは8歳まで走り、結局この帝王賞を最後に勝ち鞍はありませんでした。
怪我から復帰後はただの逃げ馬になってましたねぇ
しかし二度目の復帰となったマイルグランプリでは、中央移籍した内田が久々に騎乗2着に粘り
引退レースの09年の帝王賞でも、石崎さんをヤネに逃げてみせ見せ場を作りました
よく同厩のフリオーソと比較されますが、フリオーソは『強い馬』ミツオーは『速い馬』とゆう評価をしています□
こうゆう速い南関馬は、ミツオーを最後に現れていません