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2017/11/02 20:14
名門松田国英厩舎が重賞勝ち0に「1月以降
名門松田国英厩舎が重賞勝ち0に「1月以降出走ナシ」の衝撃。低迷に歯止め掛かららず
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松田国英厩舎が不振に喘いでいる。ディープインパクトと共に近代競馬を支える「2大種牡馬」キングカメハメハを手掛けたことはあまりに有名。最強牝馬ダイワスカーレットだけでなく、その生涯のライバルとなったウオッカの父タニノギムレットを管理したのも松田国調教師だ。他にもカレンチャンやスリープレスナイト、現役ではアエロリットやホワイトフーガを輩出したクロフネも師の管理馬である。また、松田調教師は「馬」だけでなく、「人」に関しても今の競馬界の多大な貢献を残している。例えば今年の菊花賞馬キセキなどを手掛ける角居勝彦調教師や、昨年のダービー馬マカヒキを管理する友道康夫調教師といったところは、かつて松田国厩舎で研鑽を積み、今では押しも押されもせぬ超一流の調教師に成長した。他にも今年の牝馬クラシックを沸かせたファンディーナを管理する高野友和調教師や、ダートG1・10勝を誇るコパノリッキーの村山明調教師も元は松田国厩舎の門下と、紛れもなく今なお競馬界に巨大な影響力を持つ大人物だ。しかし、そんな松田国厩舎が現在18勝のリーディング54位(11月1日現在)と苦戦している。
いや、勝ち星自体はそこまで深刻な状況ではない。何故なら、松田国厩舎は勝ち星よりも「一発長打」で名を馳せてきた名門だからだ。これまで通算559勝(JRAのみ)を上げる一方で、重賞は57勝(うちG1・13勝)を誇る。つまり「10勝に1勝は重賞勝ち」という非常に大レースに強い厩舎だった。ところが今年は、その重賞勝ちが「0」という状況。それだけならまだ調子が悪い程度で済む問題かもしれないが、重賞への出走自体が激減しているから深刻だ。平地重賞に限れば、1月の東海S(G2)へ出走したのが最後。それも出走馬は14番人気で13着に敗れている。1999年の1月に重賞初勝利(シンザン記念(G3)フサイチエアデール)を上げてから、ほぼ毎年のように重賞ホースを輩出してきた松田国厩舎。当然ながら、その分数多くの重賞レースに管理馬を出走させてきたが、ここ2年は年間1ケタに落ち込んでいる。
一体、何があったのだろうか。松田国調教師というとキングカメハメハやタニノギムレット、クロフネといった歴史的名馬を手掛けた一方で、これらの馬が故障と共に早期引退したことから、ファンの間では「クラッシャー」と不名誉なあだ名が付けられていることも有名だ。「クラッシャー」とは文字通り"壊し屋"であり、いわゆるスパルタ調教で特出した名馬を輩出する一方、その負荷に耐えきれず故障させてしまう馬も少なくはなかった。だが、それこそが"マツクニ流"であり、本人も「もっと馬を強くしようと思ったら、調教で壊れるか壊れないかのギリギリのところまで負荷を掛けなければなりません」「馬が壊れた時の損失が、どれだけ大きいかを知っています。だから、どうしても安全な方に行きたがる。しかし、それでは強い馬をつくれません」と確固たる信念を持ち、同時に数多くの成功も収めてきた。しかし、当然ながら最も大きなリスクを支払うのは、他ならぬ馬主である。そのためハイリスク・ハイリターンの"マツクニ流"を敬遠する馬主も少なくなく、それが低迷のきっかけになったと話す人も多い。そういった事情もあり最近の松田国厩舎は、以前ほどのハードトレを敢行していない。結果的に時代の流れに歩み寄った形だが、それが逆に厩舎から個性を奪い、関係者からは「ますます成績不振に陥る要因となっているのでは」という声もあるようだ。その一方、顕著な馬主離れが避けられない中、"トドメ"となるような事件が起こった。2014年の4月、当時松田国厩舎の調教助手として活躍していた渡辺勉容疑者が未成年相手の売春行為をしたとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕されたのだ。厩舎にとって重大なイメージダウンとなったことは間違いないが、周囲の信頼を取り戻すには実績を残すしかなかった2014、15年と年間20勝未満に落ち込んだ松田国厩舎だったが、昨年には31勝に回復。同時に重賞を3勝するスマートオーディンという名馬も誕生した。父は師が手掛けてNHKマイルC(G1)を勝ったダノンシャンティと、厩舎ゆかりの血統馬でもあった。しかし、この厩舎の出世頭を巡って、またも事件が起きてしまう。スマートオーディンが、同じ関西のライバル池江泰寿厩舎へ転厩したのだ。その結果、松田国厩舎には重賞で勝ち負けできる馬が不在に.それが、今年の重賞勝ち「0」「1月以降、平地重賞出走なし」という状況に陥った引き金なったようだ。果たして、松田国厩舎はかつての輝きを取り戻せるだろうか。