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2018/01/17 20:01
有望株続々「超ハイレベル」牡馬クラシック路線の「鍵」を握るのは意外にも(GJ)
ダノンプレミアム(栗東・中内田充正厩舎)
この馬の評価をはね上げたのは、やはり破格のレコードで勝利した2歳王者決定戦だ。好位から楽に抜け出し、ステルヴィオ、タワーオブロンドンといった強豪を相手に3馬身半差という決定的な差をつけての圧勝。記録した1:33.3は朝日杯FSが阪神で開催されるようになった2014年以降、リオンディーズが記録した1:34.4を1.1秒も更新するもの。馬場コンディションに恵まれたとはいえ、これは「規格外」と評価せざるを得ないだろう。仮にクラシックを狙うのであれば課題は当然「距離」になってくるだろう。ただ、本馬はデビュー戦の1800mを4馬身差で圧勝しており、ディープインパクト×Intikhabという配合は2015年の日本ダービー2着馬サトノラーゼンと同じ、マイルを超えたからといってパッタリ止まるということはなさそう。
ワグネリアン(栗東・友道康夫厩舎)
2歳王者ダノンプレミアムが「1強」と評されないのは、底知れぬスケールを秘めた本馬がいるからか。ここまで3戦3勝、それもほぼ馬なりで突き抜けた東京スポーツ杯2歳Sが証明するようにレースを重ねるたびに強みを増している感さえある。デビュー戦こそハナ差の辛勝だったが、これは相手のヘンリーバローズ(栗東・角居勝彦厩舎)が強かっただけ。3着以下は5馬身以上ちぎっており、記録した上がり3ハロン32.6秒は、古馬戦も含めた中京競馬場史上最速。度肝を抜かれたファンの間では、すでに「伝説の新馬戦」という声も上がっている。450kgと牡馬としては小柄な馬体に、黒と黄色の勝負服に青色の袖という"金子カラー"。本馬の「豪脚」といえる強烈な末脚を見た者は、嫌が応にも父ディープインパクトの再来を意識せざるを得ない。
タイムフライヤー(栗東・松田国英厩舎)
中山2000m(ホープフルS)で頂点に立った以上少なくとも同じ舞台で行われる皐月賞(G1)には「最も近い馬」といえるのではないだろうか。ここまで5戦3勝とはいえ、本馬を負かしたのは阪神JFで1番人気だったロックディスタウンと、京都2歳S(G3)でアタマ差の接戦を演じたグレイル(栗東・野中賢二厩舎)の2頭しかいないことも、また事実。デイリー杯2歳S(G2)の勝ち馬ジャンダルム(栗東・池江泰寿厩舎)に1馬身1/4差をつけて1番人気に応えたホープフルSの内容も、当然評価されるべきだろう。ただ、先述した2頭に比べるとスケールで見劣りする点があることは否めない。
オブセッション(美浦・藤沢和雄厩舎)
ようやく関東馬の登場となるが、本馬がその実力の片鱗を示したのは阪神外回り1800mで行われたシクラメン賞だった。スタートで後手を踏みながらも、最後はほぼ馬なりで4馬身差の圧勝。上がり3ハロン33.5秒は第2位に0.9秒差をつける、まさに「異次元」の末脚だった。ただ、単純な末脚のキレであれば、昨年のサトノアーサーが記録した32.7秒の方が、遥かにインパクトがある。その後、サトノアーサーはきさらぎ賞(G3)や毎日杯(G3)で、いずれも単勝1.5倍以下の圧倒的な人気を集めるも勝利ならず。クラシックの厚い壁に跳ね返された。そういった点で、まだ重賞実績のない本馬には一抹の不安がある。しかし、それを補って余りあるのが時計面での裏付けだ。上がりの速さこそサトノアーサーに譲ったが、勝ち時計はあちらが1:50.8に対して、こちらは1:45.6 。2歳戦特有の緩い流れからの瞬発力勝負でなかったことにサトノアーサーとは異なった価値がある。潜在能力は相当高いレベルにあると見て良いだろう。
※他にも名前と所属だけ掲載したライバルやデビュー戦を順当に勝ち上がったレイエンダ、スーパーフェザー、ヴェルテアシャフト、サトノソルタス、ジェネラーレウーノ等といった評判馬も今後一気にクラシックの主役級に浮上する可能性を秘めている。早くから「ハイレベル」と評されている3歳牡馬。来たるクラシック戦線に向けて楽しみが広がるばかりだ。ただ、その一方で「気になる点」もある。ここで挙げた多くの有力馬が、ディープインパクト産駒。だが、思い出されるのは一昨年だ。サトノダイヤモンドやマカヒキ、ディーマジェスティといった「ディープインパクト三銃士」が中心となったクラシックは「空前のハイレベル」といわれていた。しかし、それらが尽く古馬になって期待ハズレに終わったのは、昨年の結果通り。それら4歳世代とは逆に、目立ったディープインパクト産駒が皐月賞馬のアルアイン程度しかおらず、レベルが疑問視されていた3歳世代の台頭が目立ったが…