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2018/05/16 21:00
序列が激変、あの馬は急浮上。 オークス直前の「3歳牝馬ランキング」
年明けのシンザン記念から直行という異例のローテーションも苦にしないで圧巻の快勝劇。ラッキーライラックの「1強」ムードも、完全に振り払ってみせた。なお、その後に行なわれたトライアルでは、サトノワルキューレがフローラSを制し、年明けデビューのランドネがスイートピーSを勝って、それぞれオークスへの出走切符を手にした。牝馬クラシック第2弾となるGIオークスへいよいよメンバーが出そろった。今回は、そのひのき舞台に向かう3歳牝馬のオリジナル番付を発表したい。
桜花賞そしてオークスに向けての前哨戦の結果は、ランキングに大きな変動をもたらすこととなった。1位になったのは、桜花賞を制したアーモンドアイ。前回3位から9ポイント加算して、一気にトップへと躍り出た。この勢いのまま、二冠達成なるのか、注目である。
「アーモンドアイは、レースを経るごとに自らのTF指数(※市丸氏が独自に編み出したデータ指数)を大きく更新。桜花賞では1頭だけ次元の違うレースを見せて、過去6年で最高の数値を記録しました。それも、最内を回ったラッキーライラックが普段の年なら勝てるだけの高い指数を叩き出している一方で、アーモンドアイは4角で大外に出して、最後方から直線だけでコンマ3秒もぶっちぎったのですから、相当な価値があります。上がり33秒2をマークした末脚は、他馬より1秒も速く、文字どおり『他馬が止まって見える』レベルでしたね。父がマイルまでで強さを発揮したロードカナロアのため、オークスでは距離の壁が囁かれるでしょうが、母フサイチパンドラはエリザベス女王杯(芝2200m)の勝ち馬でオークスも2着。その血も引いていることを考えれば、問題ないと思います。そもそも桜花賞で、後方から進んでここまでの強さを見せた馬がオークスで失速するとは考えられません。順調ならオークスは負けられない―それぐらいの評価をしています」
「デビュー戦は2着に終わりましたがそこから2カ月→3カ月→3カ月のローテーションで、未勝利→シンザン記念→桜花賞と3連勝を飾ったアーモンドアイ。成長曲線に見合った調整法のため全く無理していない印象。+これだけのパフォーマンスを出せるのは『能力の高さ』と言わざるを得ない。ロードカナロア産駒だけに『距離がどうか?』ですが基本的にオークスはスローペースで折り合い重視という展開になりやすく上がりが速くなる傾向が強いです。アップダウンの激しいラップを刻まなければ心配はないでしょう。パドックからテンションが上がってしまう馬が多いロードカナロア産駒にあってこの馬は常に落ち着き払っていてオンとオフがしっかりしています。折り合いに絶対の自信を持っており、気性的に舞い上がることもなく、能力をしっかり出し切れるのも心強い限りです。ストライドよりは、回転を速める走法。瞬発力勝負で同世代の馬には負けることはないでしょう。ルメール騎手が”三冠王”を意識する逸材。1位の座は不動」
2位は、桜花賞でついに土がついたラッキーライラック。はたして、オークスでの巻き返しはあるのだろうか。
「トレセンでは、桜花賞の戦前から『取りこぼすなら、桜花賞。距離が延びるオークスは大丈夫』という声が大きかったんです。実際、桜花賞は敗戦。ただ、同レースではオークスを見据えた仕上げだったようにも見えました。ならば、オークスでの巻き返しは十分に考えられます。チューリップ賞、桜花賞と積極的な競馬をしたことで、やや力む面があるかもしれませんが、デビューからコンビを組む鞍上に期待しています」
3位に入ったのは、フローラSを快勝したサトノワルキューレ。2400m戦の経験も豊富で、圏外から一気にランクインを果たした。ただ、オークスについては、やや懐疑的な意見も上がっている。→「フローラSはクビ差の勝利でしたが、2、3着の2頭が前で粘っているところへ、1頭だけ異次元の末脚を繰り出しての勝利。当然、別路線なら『この馬!』と考えるのが、順当でしょう。ですが、フローラSは肝心のレースレベルが今ひとつ。桜花賞上位組とは、経験したレース内容が違いすぎます。思わぬ惨敗があっても、不思議ではありません」
4位は桜花賞で3着に入線したリリーノーブルが入った。距離延長を味方にオークスでも上位争いが期待されている。5位には桜花賞当日に行なわれた忘れな草賞を勝ったオールフォーラヴが初のランクイン。母は重賞2勝、GIヴィクトリアマイル3着の実績を持つレディアルバローザという良血馬だ。
桜花賞を経て、勢力図が激変した3歳牝馬戦線。オークスでも力関係がガラリと一変するような結末を迎えるのか。多くの馬にとって、未知なる世界となる熾烈な”消耗戦”から目が離せない(※ST誌より)