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2020/10/21 23:17
三冠馬に辿り着けなかった馬達,ミホノブルボン,メイショウサムソン,ドゥラメンテ…
先週行われた秋華賞はデアリングタクトが勝利し無敗の牝馬三冠が馬が誕生した。菊花賞でも2週連続の快挙達成を望む声も多く周囲の期待は日に日に増すばかりだ。この菊花賞を三冠がかかった最終戦として見た場合、大きく分けて出走馬は3種類に分かれる。春二冠に続き三冠を達成した馬、菊花賞で敗退し三冠を逃してしまった馬、そしてそれ以外の馬である。皐月賞と日本ダービーを制し二冠を達成しながら菊花賞で涙を飲んだ悲運の二冠馬たちを紹介していこう。
春の皐月賞と日本ダービーを勝利し、菊花賞に出走した馬は以下の8頭。
1950年 クモノハナ 2着
1953年 ボストニアン 2着
1960年 コダマ 54着
1963年 メイズイ 6着
1970年 タニノムーティエ 11着
1992年 ミホノブルボン 2着
2003年 ネオユニヴァース 3着
2006年 メイショウサムソン 4着
三冠がかかった菊花賞でクモノハナはハイレコードに、ボストニアンはハクリヨウに、そしてミホノブルボンはライスシャワーに敗れ2着あと一歩で三冠を逃してしまった。特にクモノハナは勝ち馬とわずかアタマ差であり非情な結末だった。
コダマは無敗で皐月賞と日本ダービーを制したが秋初戦のオープン戦2着、阪神大賞典3着を経て、菊花賞は1番人気で5着。現在では考えられないローテーションだが当時は菊花賞前に2回ほどレースを使うのは一般的であった。
メイズイは菊花賞で単勝支持率83.2%と圧倒的人気を集めたが鞍上の強引な騎乗や展開などが要因となりまさかの6着に敗退。日本中央競馬会は三冠達成を想定してくす玉を用意していたというから当時の注目ぶりが想像できる。
タニノムーティエは後の日本ダービー馬タニノギムレット、ウオッカを生産したカントリー牧場の生産で日本ダービーを勝利した時の成績はなんと15戦12勝。弥生賞を勝利した後にスプリングステークスに出走するなど今ではまずあり得ないローテーションだった。日本ダービー後の放牧中に喘鳴症にかかってしまい休養明け後は2戦してすべて大敗。三冠がかかった菊花賞も2.2秒差の11着に敗退している。
ミホノブルボンはコントレイルと同様にデビューから無敗で菊花賞まで駒を進めてきた。父マグニテュードは市場でも評価が高くなくミホノブルボンも700万円ほどで取引された馬だったという。加えて短距離系種牡馬ということもあり管理する戸山為夫調教師は距離を克服するため、当時完成したばかりの坂路で同馬を徹底的に鍛えた。そして皐月賞,日本ダービーで圧倒的な強さを見せつけ菊花賞トライアルの京都新聞杯はレコードタイムでの勝利。しかし菊花賞は長距離血統で秀でるライスシャワーに完敗。ミホノブルボン自身も当時の菊花賞レコードを上回る時計であったがまさに相手が悪かったといえるだろう。
ネオユニヴァースは現在JRA所属となっているミルコ・デムーロ騎手を語るうえでドゥラメンテとともに代表的な一頭だろう。外国人騎手初となる日本ダービー勝利は永遠に残る記録。しかし日本ダービー後は宝塚記念に出走し4着、神戸新聞杯3着と精彩を欠き菊花賞は1番人気ながら0.2秒差の3着に惜敗。宝塚記念出走の影響、展開、血統など様々な要因があったと言われているが外国人騎手初の三冠達成は夢と消えた。
メイショウサムソンは競りで700万円という低評価の馬だった。そして2歳時だけで7戦という使われ方からもわかるように決してクラシックを目指す王道を歩んでいたわけではなかった。しかし3歳春のスプリングステークスから本領を発揮し、皐月賞と日本ダービーを連勝。菊花賞では前年のディープインパクトに続く三冠達成の期待が高まったが1番人気で4着に敗退。皐月賞と日本ダービーを雨の影響が残る馬場で勝利しており父オペラハウス、母の父ダンシングブレーヴというヨーロッパ血統が当時レコードが続出していた京都の速い馬場に合わなかったという見方もあった.
また春の皐月賞と日本ダービーを勝利し、菊花賞に出走することができなかった馬は以下の8頭である。
1951年 トキノミノル
1952年 クリノハナ
1971年 ヒカルイマイ
1975年 カブラヤオー
1981年 カツトップエース
1991年 トウカイテイオー
1997年 サニーブライアン
2015年 ドゥラメンテ
トキノミノルは日本ダービーから17日後に敗血症で死亡し菊花賞どころか後世に血を残すこともできなかった。クリノハナは故障、ヒカルイマイ、カブラヤオー、カツトップエースは屈腱炎で出走できずトウカイテイオー、サニーブライアン、ドゥラメンテは骨折で回避もしこの8頭が無事に菊花賞に辿り着いていれば何頭かは三冠のチャンスもあっただろう→続
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続>中でも初勝利から8連勝で日本ダービーまで勝利したカブラヤオー、デビューから無敗で日本ダービーまで制したトウカイテイオー、皐月賞を11番人気、日本ダービーを6番人気で勝利したサニーブライアン、日本ダービーを2分23秒2のレコードタイムで完勝したドゥラメンテはもし無事に菊花賞に出走していればと誰もが感じたはず。まさに幻の三冠馬だ。しかしすべてが思い通りにならないのが、競馬が持つドラマチック性といえよう。
これまで出走した二冠馬も、出走できなかった二冠馬も合わせて16頭の二冠馬の思いがこの菊花賞に紡がれているといえよう。そして三冠達成という快挙がいかに厳しい道のりなのかも、この成績から見て取れる。コントレイルは三冠達成なるか。新たな歴史の幕開けに期待したい
※他二冠馬→トサミドリ,ダイナナホウシユウ,タケホープ,キタノカチドキ,ミホシンザン,サクラスターオー,セイウンスカイ,エアシャカール