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2022/07/13 23:54
《セレクトセール》高額馬たちの「意外なその後」今年最高額の更新はせず?
今なお歴代最高額となっているのは、2006年の当歳馬セールで落札された牝馬のディナシーである。グローブエクワインマネージメントにより6億円で購買された。父はキングカメハメハ。母はエリザベス女王杯を勝ち、ドバイワールドカップで2着になるなど活躍したトゥザヴィクトリー。デビュー前の放牧中に雷の被害に合い競走馬はあきらめる事になり、未出走繁殖牝馬となった。2018年まで7頭の仔を産んだが、これといった活躍馬がないまま、昨年10月、ノーザンファーム繁殖牝馬セールに上場された。ニューイヤーズデイの仔がお腹にいる状態で、前川勝春氏により1050万円で落札された。15歳になった去年、無事に牝の仔馬を産んでいる。史上2番目に高額なのは、2017年の当歳馬セールで近藤利一氏により5億8000万円で落札された牡馬のアドマイヤビルゴだ。父はディープインパクト、母はアイルランドで生まれ、フランスでGIを勝っているイルーシヴウェーヴ。今年4歳のアドマイヤビルゴは今も現役だ。2019年に世を去った近藤氏の意向で武豊が騎乗することになり新馬戦と若葉ステークスを連勝。京都新聞杯は4着に敗れるも、秋のムーンライトハンデキャップとアンドロメダステークスをまたも連勝した。重賞は勝てずにいるが本稿を書いている時点で9551万円ほどの賞金を稼いでいる。3番目に高額なショウナンアデイブは、昨年の1歳馬セールで「ショウナン」の冠で知られる国本哲秀氏により5億1000万円で落札された。父ディープインパクト、母シーヴ。半姉のキャスリンソフィアはケンタッキーオークスを勝っている。栗東・高野友和厩舎の所属馬としてデビューしたが未勝利勝ちがやっとで2勝目が遠い。4番目に高額なのは2004年の当歳馬セールで、関口房朗氏により4億9000万円で落札されたザサンデーフサイチである。父はダンスインザダーク、母はオークスや天皇賞・秋などを勝ち、繁殖牝馬としてアドマイヤグルーヴ、ルーラーシップなどのGI馬を送り出している名牝エアグルーヴ。この馬はJRAで3勝を挙げたが7200万円ほどの賞金を稼ぐにとどまった。11歳になった2015年まで走りその後種牡馬となったが、目下のところ、これといった産駒は現れていない。5位のリアド(4億7000万円)は2勝目が遠く、7位のダノンマイソウル(4億円)は4戦未勝利、8位のホウオウリュウセイ(3億8000万円)はデビュー前である<で6位が今年のモシーンの2021。
9位のダブルアンコール(3億7000万円)は牝5歳の現役で、今のところ13戦2勝、2823万円ほどを稼いでいる。10位のザレストノーウェア(3億6000万円)は牡4歳の現役で未だに未勝利。稼ぎは251万円ほど。11位のラストグルーヴ(3億6000万円、消費税率の差で10位とした)は1戦1勝で引退して繁殖牝馬となり青葉賞2着のランフォザローゼス、フラワーカップ2着のレッドルレーヴなどを産んでいる。こうして高い順に見ていくと、GIどころか重賞を勝った馬もなかなか現れず、最初に行き当たった重賞勝ち馬は、30位台、2017年の1歳馬セールでダノックスにより2億5000万円で落札されたダノンチェイサーである。2019年のきさらぎ賞の勝ち馬だ。今も現役で9346万円ほどを稼いでいる。上から見ていき初めて出てきたGI馬は、40位台のトーセンスターダム。2012年の1歳馬セールで、島川隆哉氏により2億5000万円で落札された。日本ではGIIIまでしか勝てなかったが、豪州に移籍して新嘉坡GIを制した。日本国内では1億3000万円ほどを稼いだ。次が50位台のワールドプレミア。2016年の当歳馬セールで2億4000万円で落札され、2019年の菊花賞、今年の天皇賞・春などを制した。引退まで4億5594万ほどを稼いでいる。現役の馬が多いのでそのうち変わってくるだろうが、現時点ではセレクトセールで取り引きされた上位40頭強の高額馬のなかで、自分の値段以上の賞金を稼いだのはワールドプレミアだけということになる。高い馬は走らないかというと、なかには馬主孝行な馬もいて、2013年の当歳馬セールで里見治氏により2億3000万円で落札されたサトノダイヤモンドは、菊花賞、有馬記念などを勝ち、8億6500万円程と、自分の値段の4倍近く稼いだ→続
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続>1億7000万円で落札されたトーセンジョーダンも天皇賞・秋などを勝って7億円以上稼いだし、1億6000万円で落札されたラヴズオンリユーも国内外で5億5000万円ほど稼ぎ、繁殖牝馬として社台Gに栄転した。
これからも、4億円や5億円の高額馬で、さらに高額の10億円以上の賞金と、種牡馬シンジケートで30億円、40億円を狙う馬主は次々と出てくるのだろう。ここまで来ると、夢があるのかないのかわからなくなってくるが、ともかく、来年もセレクトセールに注目したい。
※データはセレクトセール2022開催前のものです。
*昨年までは上位はほぼディープインパクト・サンデーサイレンス・キングカメハメハだった...