【反省会・回顧】 香港マイル・香港カップ【香港国際競走】

-香港マイル
ここはすんなりカリフォルニアスパングルがハナを取ったものの、中盤の捲りもあったりでややトリッキーなレースでしたが、結果的には前残りでしたね。カップの結果も含めて4歳2頭が勝ち切ったことで、香港もはっきり世代交代が起きたかなという印象にはなります。
カリフォルニアスパングルにビューティジョイが絡んでいって一時こちらがハナ、その後ろにオーストラリアのローズオブインディシーズがいて、ゴールデンシックスティはその後ろでした。
　モアザンディスがその後ろ、シュネルマイスターが内から追走するも終始手応え悪く、ダノンスコーピオンも出遅れて最後方からと厳しい競馬でした。ラップは47.52-45.89=1.33.41なのでスローですが極端ではなく、しかも仕掛けが強くて最速地点は800-600mの11.07となっています。かなりのロンスパ持続力戦の中で、明確なトップスピードの質までは問われず、持続性能とポジショニングの差でカリフォルニアスパングルが押し切ったという内容。
ゴールデンシックスティも敗れはしたものの、流石の強さは見せてくれたと思います。この馬に関しては軽い馬場の方がいいので、今日のコンディションが少し合わなかったのもありそうですし、ロンスパで瞬間的な切れがそこまで求められなかったのも少しだけ適性的にズレた、その上で勝ち馬が強かったという評価でしょう。
日本勢は全く見せ場なくでしたね。まだダノンスコーピオンはジリジリ脚は使いましたけど、シュネルマイスターは完全に馬が終わってしまったのかな、と思えるほどの惨敗で、本当に去年の強さはどこに行ったんでしょうね…。

-香港カップ
こちらはパンサラッサの逃げを、地元勢がマークして追走する競馬になりましたね。
マネーキャッチャーとロマンチックウォリアー、カーインスターあたりのスタートがこぞってよく、逆に日本勢のパンサラッサ、内のレイパパレとジャックドールが揃って出遅れ気味という中で、ここも隊列イメージがかなりズレてしまいました。ジオグリフとダノンザキッドは中団より後ろで、最終的に日本馬で伸びてきたのがダノンだけという、ここも残念な結果には終わってしまいました。ラップ的には60.5-59.2=1.59.70くらいなので、海外補正をかけても実は平均ペースだったりします。後ろがスムーズについてこられたのも、決して極端なハイペースではなかったのが大きく、ただ道中で明確に息も入らず淡々と平均で流れ続ける、というスタミナ型の競馬だったのではないかと感じます。後半ラップも11.81-12.06-11.54-11.91と、コーナーで少し緩んでからの一足という総合力勝負なのですが、内を走っていた日本勢が揃って全くこのペースで伸びない大崩れというのもちょっと驚きでしたね。終わってみると本当に相当水を撒いてタフ馬場で、馬場に慣れている地元勢がその恩恵を最大限に受けた感じ。
とはいえこの着差ですから、ロマンチックウォリアーがめっちゃ強かったのは間違いないですけどね。いいスタートから少し控えて先団後ろの外目、コーナーからじわっと外に出して突き抜けるという、リバティアイランドみたいな完璧な競馬でした。結果的にこの馬自身はややスローロンスパで、二段階目の加速で違いを作ってきた感じですし、適性的にも一番噛み合ったのはありそうですね。
2着のダノンザキッドは元々、冬のタフなホープフルSを勝っている馬ではあるのですよね。タフな展開の中で極端な切れが問われず、有酸素レベルで長くいい脚を、というパターンでもしっかり走れたという印象で、コーナーでの負荷が弱かったのもプラスだったかなと思いますね。
3〜5着の地元勢は、勝ち馬との力関係で言えば着差的には妥当なラインなんですよね。ここは本当に日本勢が走らなさ過ぎたと正直思います。ジャックドールとレイパパレはスタートイマイチで、本来の位置取りが出来なかったですし、馬場も噛み合っていなかったのかもしれません。高速馬場っぽかったので期待したんですが、意図的にタフ寄りの馬場に作り替えられてしまった感じですからね…。
※スプリントと違い多少馬場渋っても条件は同じなんだから、カップは負けの言い訳できない…