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2011/06/24 18:40
【禅寺の裏恋物語】(25)
四時半頃になって住職が帰ってきた。僕はまだ本堂で、座禅中である。 住職はなかなか来てくれない。
6時になって初めて気がついたみたいで、跳んできた。
なぜかと言うと6時には夕暮れの鐘をつかなければならないからである。
おい竜峰、鐘を突く時間だよ早く、又遅れるよ。慌てている。今度は住職の責任が重くなる。
実は、僕もすっかり忘れていた。
すっ飛んでいって鐘を突いた!6時の時報とほぼ同時だったような気がする。辛うじて間に合ったようである。
6時は街の人達の仕事の終わりを知らせる合図でもあった。
昔は腕時計なんて無かったから、お寺の鐘が時報を告げていたのである。
鐘を突き終わり外を見るとみゆきちゃんが下で待っている!
何かあったのかな、今日は約束の日ではない。
話があるのと言うから鐘楼堂の一階は倉庫だからそこで話を聞いた。
お父さんの転勤で他の県の学校に転校しないといけなくなった、と言うことである。
これには僕もショックを受けた。
せっかく仲良くなり、特別な関係の間柄に成っていた時である。
それでいつ行くの!?今月一杯だって。
じゃ、あと二回しか会えないね!
離れたくない!!
しかし子供の悲しさ、自分だけ残ることは許されなかった。
じゃ、明後日の5時に会おう、と別れた。
その時はそんなに深く考えていなかった。
しかし寝床に入って、色々考えたときに。
本当に別れなければならない、辛さというものが地獄のお湯のように沸き上がり、切なくとてもがまんが出来ない程の息苦しさをかんじていた。
失恋の辛さを中三の若造の癖に、もう経験したのである♪
ー続きは又ー