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59件のひとこと日記があります。

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2011/06/25 16:39

【禅寺の裏恋物語】(26)

奥さんのことなど、何処かに消え失せていた。12時を回った後に、うとうとと眠ったかと思ったらもう四時の目覚ましが鳴っている。時計を止め、洗顔を済まし衣に着替える。
外に出て見るとまだ星が瞬いている。しかし東の空は赤みを指して徐々に明るさを増していく!一番清々しい時間である。時計を見ると4時26分。あと1分で突き始めだ、30秒おきに四回突く、15秒で1つ突く、此がワンセットで、2セットの九回突く。鐘を突く前には9突9拝する。
あとはいつもの通りに本堂での朝のお勤めがあり順次作業を終わり、食事をする。それこそ朝は質素である。
御飯、味噌汁、漬け物、梅干し、それだけである。今は夏休み中だから、午前中は勉強である。しかし今日は、法事があるので住職について行き、お経や作法を習う。法事は嬉しかった。ご馳走が出てお土産をもらい、お布施は住職がとってしまうので僕には来ない。それでも可愛がってもらえるので、やはり嬉しい。住職は酒が好きでしかも強いので、なかなか尻が上がらない。住職にそろそろおいとまを、と催促しないと、立ち上がらない。やっとのことで立ち上がり荷物は僕が持っているから大丈夫だが、足元が頼りない。まだ午後2時半頃で一番暑い日差しである。
その当時は自動車もバイクもない時代だったので、自転車である。自転車の飲逎運転は見ておれない。家を出てすぐに右の崖下は田んぼである!檀家さんが走ってきて、危ないから歩いて帰ってくなさい、と止めてくれた。はいはいと愛想良く変じをした。
しばらく歩いて見えなくなった途端に、また自転車に乗り走り出した。
本道に出たため、道は広くなっているが、下り坂である。恐ろしいスピードで下っていく? 危ない
国道との四つ角にそのスピードで突っ込んだ。
そこに馬車が通りかかったのである。
まともに馬のお腹にぶつかった。
ビックリしたのは馬である。
ヒヒィーンと棒立ちになり、その勢いで走り出したからたまらない。ー続きは又ー

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  • ペルーサさん

    ちゃんと読んでるよ!

    2011/06/25 23:15 ブロック