59件のひとこと日記があります。
2011/07/03 15:27
【禅寺の裏恋物語】(34)
鐘を突き終わってもなかなか帰ってこないので、奥さんが外に出てきている。
しまった見られちゃったかな…
胸をドキドキさせながら裏口から厨房の方に入っていった。
僕は何にも言わずに食事の用意を手伝って、今日のおかずはなんだろう!
鍋の中には何もない、可笑しいな、おかずは何をするんですか?
返事がない ガスコンロをテーブルの上に持ってきてくれない!どれがいいんですか? ホースの長いのがあるでしょう!! それよそれ!!
すると新しいジンギスカン鍋をを買ってきたと見えて。箱から出し一旦熱を通して新聞紙で拭き取り、再度火を通して油を引き、子供達は既に座って待っている。
奥さんが、冷蔵庫から肉と野菜を取り出し持ってきた。
以前の約束を忘れていなかったんだ!
お寺に来て初めての肉料理である。
子供達も美味しいね、とにこにこしながら食べている。
僕は焼き肉を食べるのは初めてであったので、こんなに美味しいものだとは知らなかった。今までは肉ジャガしか知らない。
あっという間に食べ終わってしまった!
後は野菜ばかりが沢山残っている。ご飯も食べずに肉ばかりを食べたような気がする。
野菜を焼いて垂れにつけて食べたら、又これはこれで美味しい
特に玉ねぎや深ねぎ、ニンニクは美味しかった。
奥さんからニンニクはあまり沢山食べると息が臭くなるから控えた方がいいよ!
と言われ渋々箸を置いた。
それにしても満足のいく夕食であった。
後片付けを終わらせ自分の部屋に帰り写経を始めている所に、今日の宿直の尚英さんが入ってきて、遅くなった何にもなかったかな?と聞かれたが、今の所は何もありません。
尚英さんはお坊さんでは最年長であり、檀家さんも固定していたので忙しい。
僕が書いた文字を見て筆運びのコツをお手本を書きながら教えてくれる。 一番の達筆者であり流れるような、筆運びで書き下ろしていかれる。見事としかいいようがない。
小一時間指導してもらっただけで、文字に力が出てきている。
住職は軍人上がりであまり坊主の修行はしていなかったため。筆字もあまり得意ではない。今日は習字を直伝で教えてくれるのでぐんぐん上達する。
日常は真面目に勉強し修練をしていますので、お読みの方は助平小僧と勘違いされては困ります
ー続きは又ー