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2011/07/07 18:10
【禅寺の裏恋物語】(38)
台所が方付くまでお座敷の額や掛け軸などを見ていた、流石に一流の物ばかりである。
床の間には雪舟の山水欄間の上には家伝の一条槍がかけてあった。刀や鎧は倉の中に仕舞われている。聖子さんに連れられて二階に上がり彼女の部屋にはいる。
この部屋に男の人が入るのは貴方がはじめてなのよ。
ウソ、お兄さん達は入らなかったの?
そ、お父様もお入りに成ったことはないわよ
へー光栄だな…
だってお父様は呼びつけるだけだもん
やはり格が違うな、こんな嫁さんを貰ったら息苦しいだけだな、これは願い下げだ、何て思いながら宿題のノートを借りて帰ろうとしたが、
今度は貴方が手伝ってよ!!
何を手伝うの、
あそうか工作を手伝うと約束したんだったね。それは失礼、何を作っているの、
これ何だと思う?
うーん!解んないな?ヒント…
お人形ケースを作っているんです?
へーこれは参ったな… 聖子さんには無理だよ。僕にも難しいかもしれない?!
固定してしまうなら出来るかな…
まやってみるか。じゃ手伝ってよね
先ず、この丸い柱をしっかり押さえておいて! 僕がノコで縦筋を入れるから、聖子さんが押さえ僕が切る!
旗から見たら二人がくっついて変な誤解を招く格好てある。
一本に二筋の溝をこさえる。それを四本。
偉いことになった。段々手前になると聖子さんのてを切りそうで、恐い。聖子さんを向こう側に回らせ切り終わった方を持たせる。なんとか一本は終わった! まだ後三本、また体をくっつけて離れて、の繰り返し!
すっかり協同作業が終わった頃には、心も打ち解けていた。後は天ガラスの梁を同じ要領で作り組み立てるだけである!
下から電話の音が聞こえている。聖子さんが降りていって竜峰さん貴方によ。 女の人、奥さんである!
何しているの?まだそこに居て何の用事?早く帰ってきなさい。まだ用事が終わっていないんです。