59件のひとこと日記があります。
2011/07/11 07:07
【禅寺の裏恋物語】(41)
帰りは下り坂だから早かった。聖子ちゃんの甘酢ッパイ香りを体に残しサツソウと帰ってきた。気分上場である。六時には少し時間がある。
奥さんに、今夜の野菜はとって来ますか?
そうねネギを忘れたから、すこしでいいからとってきて。
畑に走りネギを取ってくる。
あっ、もうそろそろ鐘を鳴らす時間だ
タオルを絞り体を拭いて清めを行って、鐘楼堂にのぼり礼拝をして鐘を鳴らす。
夕方は12回鳴らすので少しは長くなる
台所に入り、料理の手伝いをしていると風呂を沸かしてきてくれない。と振り返りながら色めかしい目付きで見つめられる。
蛇に睨まれたカエルのようなものであった。みずをはり、薪を燃やし風呂を沸かしはしめて、台所に帰る。
そしたら、ご隠居さんが、孫を三人連れてきていた。
長男は、お寺の弟子になる。妹の二人は小学校で二学期から入ってくることになった。
僕の弟弟子である。
住職の甥と姪にあたる。又運悪く同じクラスになってしまった。
長田博一である。
なんの仕事もしない、ぐうたらな男であった。妹の姉慶子ちゃんはかなりの美人で六年生である。下の妹は四年生で角がおであった。妹二人は隠居所で暮らすのである。
もう明日から学校が始まる。僕は聖子ちゃんから借りたノートを写すのに大変である。
今日から博一と二人でこの部屋を使うことになった。
僕が一生懸命宿題をやっている傍らから、そんなものほっておけばいいんだよ、と言って茶化している。
ー続きは又ー