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2011/07/27 11:38

【禅寺の裏恋物語】(55)

檀家さんに配っている御札は和紙を短冊に切ったものであり、毎年張り替える習慣があったので貧弱でも良かった。
販売するとなると、品格のあるデザインに変える必要がある。
かと言って、六百年の歴史的価値と霊力のある木版を無視することはできない。
お参りされる方は十一面観世音菩薩であるならば、新しく観音様の姿をいれた御札を考案することにした
写真屋さんに撮ってもらい丈を十八?、巾を六?に決めた。
表は写真と梵字両端に緑と紫の縦線を入れて華やかさを出し、下の余白に長寿寺と朱印を印刷した。
厚紙を真に巻いて貼り、裏側には呪文を書き中心に十一面観世音菩薩と書き、お寺の角印を押して仕上げたら中々のものが出来た
売り子さんは近所のお婆ちゃん達が代わり番こに来てくれて一日中面倒を見てくれている。なかなかの評判である!
以前は締め切っていたが、今では毎日明け広げて居るため、皆さんが中に入って参詣が出来るため大変喜ばれている
すると、町の方でバスの駐車場が欲しいと言ってきて、裏の畑を貸す事になった。
お墓の方(西側)に土産品店を建てて町営の地元産品直売所とした。その内に朝早くから十時まで朝市が始まった取れ立ての魚や野菜を果物など、特に素麺の産地であるため、これには力が入っていた。僕が気になったのが愛引きの場所!防空壕であった。
すると役場が鉄策を作ってくれて、売店の倉庫に貸してほしいとの申し入れである!
万事休す。ここはデートの場所には使えなくなったのである
こうして秋も深まりお寺の銀杏の葉が金色にキラキラと光り、はらはらと散っていく美しい夕暮れである
今日も幸せな一日が終わろうとしている。

ー続きはまたー

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