44件のひとこと日記があります。
2019/06/07 16:14
九州種馬場に眠る 〜グランディ号
現在のように、ネットで馬達の末路を知る事が出来なかった時代、
「サラブレッド101頭の死に方」という本で、情報を得ていました。
その中で、英愛のクラシックレースを勝ち、
当時の古馬最強馬バスティノ号に勝利したグランディ号。
この「キングジョージ6世&クィーンエリザベスS」は、
「世紀のレース」と言われ、「イギリス競馬史上名勝負のひとつ」と称賛され、
更に「この激闘を語れば一冊の本が出来上がる」とまで言わしめました。
それ程の名馬グランディ号が、
「日本に種牡馬として迎え入れられながら、
馬場適性の低さからか種牡馬成績が振るわず、北海道から栃木、
九州種馬場へと移動した時は、繁殖牝馬を殆ど集められず、
1992年に20才で病死した」
との記事を読んだ時は、涙が止まりませんでした。
数年前から、年に何度か九州種馬場を訪れていますが、
今回5月26日の祥月命日にお参りする事が出来ました。
奇しくもこの日は、日本ダービーの日。国は違えど勝利を挙げた
同じレースが行われる時に来れたのは、本当に不思議です。
また、「キングジョージ…」でのレースレコードを
35年後に破ったハービンジャー号が日本で種牡馬として成功し、
数多くの名馬達を輩出している事も何かしらの縁を感じます。
種馬場の近くの牧場には、
グランディ号の血脈を持つ繁殖牝馬が元気に暮らしています。
いつの日かきっと…
遥々と海を越えて日本の土となってくれたグランディ号の
「先祖がえり」の血が花開くと信じています。
〈写真〉グランディ号、九州種馬場