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2020/12/11 12:38
メリーの旅立ち
3年半前、閉鎖されたオーシャンファームから
浦野牧場へ引き取られたメリー(牝・31才)が、
11月17日午後4時10分、天国へと旅立ちました。
前日疝痛を起こした為、獣医さんに診て貰い
注射や投薬、マッサージ等の治療を受け、
翌日も再び獣医さんから点滴をして貰いました。
その日の夕方、他の馬達を厩舎に入れ、
メリーだけを放牧場で引き馬をするうち
自ら歩くようになり、しっかりと頭を上げて
名残を惜しむかのように放牧地の隅々まで歩いたそうです。
夕方になり、馬房に入ろうとしないのを何とか入れた後、
急に痙攣を起こして倒れ…天へと駆け上がって行きました。
オーシャンファームからずっと一緒で、
メリーを姉のように慕っていた隣の馬房のホクトヴイーナスは、
いつまでも馬房に帰って来ないメリーを心配して鳴き、
亡くなった時は、更に鳴き叫んだそうです。
メリーの母ハッピーメロデイは、メリーを含めて6頭の仔を成しましたが…
競走馬としてデビューしたのは僅か一頭の牡馬のみ。最後の仔は、
競走馬になれずとも馬術連盟に名を残す立派な乗用馬となっています。
その母と一つ上の姉とオーシャンファームで一緒に暮らすという
奇跡のような出来事を、血統表に名前すら刻まれていないメリーが
当時の馬主さん、大井昭子場長さんの偉大さを改めて教えてくれました。
メリー、きっと今頃は…浦野牧場に引き取る時、
様々な妨害に遭い泣きながら貴女達を守ったAさんから、
31年もの生涯を控え目ながらしっかりと生きた事を褒めて貰っていますね。
これからは、Aさんと共に苦難から貴女達を救い、
殆ど自費で牧場の動物達を守ってくれている浦野場長、
妹のようだったホクトヴイーナス、僚馬だった皆を見守ってあげてね。
旅立ちの2カ月前、9年振りに貴女に会えた私は幸せでした。
貴女は、様々な奇跡や幸運をもたらしてくれた稀有な馬でしたね。
メリーちゃん、長生きしてくれて本当にありがとう。
どうか…安らかに。
写真/ メリー 9月8日 浦野牧場にて