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2017/04/28 17:49

スナック・パドック 青葉賞(2017)

イブキの厩務員、明るそうでタイプだな、オレ」常連客のケンちゃんがスマホの画像を見ながらそう呟いた。
「お前、いつからそっちの趣味になったんだ?」マスターが顎に手の甲を当てた。
「何言ってんの、イブキの厩務員は女だよ」ケンちゃんは画像をカウンター越しに見せた。
「どれどれ、見せなさいよ」桃ちゃんがケンちゃんの腕を引っ張る。
「短距離体型だな」画像を覗き見したオレがそう言うと
「彼女が走る訳じゃないんだからね」ケンちゃんは少々不満顔だ。
「いいじゃない」桃ちゃんは好意的だ。
「働き者よ、彼女は」スマホの画像に指さして話を続ける。
「牧場で馬を初めて見て触って...って見学ツアーじゃない、きっかけは」
「あの愛くるしい馬の瞳を見ると吸い込まれそうになるものね」
「それが今じゃパドックで馬を引いてるんだから凄いわよね」
 桃ちゃんは訳知り顔でそう話すと半分残っていた生ビールのジョッキを一気に空けた。
「マスター!生!お代わりね」
「わたしも馬の世話でもしようかな。つまんない男の世話よりよっぽど楽しそうだわ」
「桃ちゃんには無理だね」ケンちゃんは人差し指を立てて横に振った。
「馬のウンコを片付けるんだぜ。出来る?」
「あらっ、ウォシュレットが無いの?」

「青葉賞はイブキから行く!」ケンちゃんは鼻息が荒い。
「厩務員が好みっていうだけで本命かい?」マスターは少々乗りが悪い。
「いやいや、お父さんがルーラーシップってのがいいんだよ」ケンちゃんはエアグルーヴに惚れている。
「でも、この馬、典型的な左利きだぜ」オレの得意分野が出た。
「またかよ、また利き脚の話?」ケンちゃんは嫌な顔をした。
スピードに乗ったとき、右脚が使えないんだ。この前、見たんだよ府中で」オレは力説する。
「そんなコトってあるのかい?」マスターもやや呆れ顔だ。
「そんな馬なんていないさ」ケンちゃんは両手広げてお手上げポーズ。
「右に代えてもすぐに左に戻しちゃうんだ」
「だから左回りのときは勝負所でモタモタするんだよ、この馬」
「あ〜ぁ、つまんねぇな。青葉賞は見だな」ケンちゃんは捨て台詞を吐いた。
「ケンが見かい」マスターは喜んだ。

 気に入った馬の馬券が買えないのは正直可哀そうだが、府中のイブキは見送った方が良い。
 人気二頭で堅く納まるとすれば、ここはポーンと弾んで「天皇賞・春」の資金造りをしようと思うのだが...。

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