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2017/05/07 17:42

スナック・パドック「NHKマイルC」レース後

「やったね!ピューマ!」ケンちゃんは大喜びだ。
「残り200mでスッと伸びたときは勝つんじゃないかと思ったよ」
マスターは拳を握って唇を噛みしめた。
「いい伸び脚を使ったよな」オレも嬉しくて堪らない。
「もっと溜めてゴール近くであの脚を使ったら勝っていたかも」
ケンちゃんは少し悔しさを残している。
「いやいや、あそこでスパートしたのは間違ってないよ」
オレは騎手の判断は間違ってないとみた。
「前の馬が強かったんだよ」
マスターはアエロリットをそして横典を称えた。
「あれフライングだろ」オレはあのスタートが凄いと思った。
「扉を壊して出たんじゃないのか」マスターも同意見だ。
「1馬身は先に出たよね」ケンちゃんも驚いていた。
「やっぱりスタートは大事だな」マスターの言葉は重い。
「オレ、明日から早起きしよう」ケンちゃんは馬から学ぶことが多い。

「嬉しいわ、牝馬がワンツーフィニッシュだものね」
桃ちゃんは牝馬の活躍を楽しみにしている。
「人気のワンツーも牝馬だったからね」
ケンちゃんも今回は牝馬を応援していた。
「リエちゃん、頑張ったじゃないの」桃ちゃんも気にしていた。
ピューマだよ」ケンちゃんは訂正を促す。
「やっぱ馬がピューマじゃ可笑しいわよ」桃ちゃんは気に入らない。
「いいの、ピューマで。最後の直線で魅せたあの脚は正にピューマ
走りだったでしょ」ケンちゃんは少し自慢のようだ。
「今年は牝馬が強いわよ」桃ちゃんは楽しそうだ。
「ここにも強い牝馬が一頭いて困ってるんですけど...」
ケンちゃんがそう言って桃ちゃんをチラ見すると
「何言ってんの?わたしは極々普通の女性なのよ」
と言ってケンちゃんにガンを飛ばす。
「おっと!その目がもう極々普通の女性じゃないよな」
首をすくめてグラスのビールを啜る。
「男がもっと頑張らないとな」
桃ちゃんには聞こえないほど小声で気合をいれたケンちゃんだった。

マルゼンスキーの方はどうだったんだい?」
マスターは上位に来た馬しか見ていない。
「7着だったね」ケンちゃんが結果を伝えた。
「そうか、マルゼンスキーが7着とはお粗末だな」
マスターはそう言ってケラケラと笑った。
「やっぱ、マルゼンスケートだったんだね」
ケンちゃんもそう言ってケラケラと笑った。
「上がりは勝った馬と同じタイムだから悪くは無いと思うけど...」
オレは最後にもっと鋭い末脚を爆発させてくれると思っていたので落胆している。
「パドックからイレ込んで緊張しまくってたよな」
マスターは精神面の弱さを指摘した。
「あれじゃぁレースの前にジエンドだよな」
ケンちゃんも敗因をそこに見ている。
「でもあの天才的な身体能力は捨てがたいな」
オレは最後の直線で弾けるような末脚を爆発させて豪快に勝つレースを
彼女には魅せてもらいたいと思っているし、願っている。

レースが終わった府中は1時間半後に雷鳴が轟き豪雨が舞い落ちた。
完膚なきまでに叩きのめされた牡馬たちの涙だったのだろうか。
それとも強い牝馬たちの雄叫びだったのだろうか。

「牝が雄叫び上げる、じゃ可笑しいわよね」
桃ちゃんはそう言って笑うが、ケンちゃんに言わせると
「誰かさんは平気で雄叫び上げるからね」と言って首をすくめる。
今年は牝馬の活躍に乗っかって予想を的中させたいと思っているのだが...。

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