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2017/05/11 23:28

スナック・パドック「ヴィクトリアマイル」レース前・2

「フケを探す訓練は上手く行ってるのか?」
マスターがカウンターでグラスのビールを飲むケンちゃんに問いかける。
「それがさぁ、笑っちゃうんだよ」
ケンちゃんは口元に手をあてて笑いが抑えきれない様子だ。
「どうしたんだよ。説明しろよ」マスターは少しイライラしている。
「ネットのパドック中継の動画を見ていた訳さ。フケの馬はいないか、ってね」
ケンちゃんはそう話している最中にも少し吹き出して笑っている。
「そしたらいたのさ。それらしき仕草で歩いている馬を発見したんだよ」
尻尾をパラリパラリと優しくフリフリして歩いている馬を見つけた。
ケンちゃんは「これだ!」とテレビ画面を指さして震えたという。
よしっ!フケを見分けるコトがオレにも出来た。これでフケ対策は万全だ。
そう思ったという。
「うんうん、それでそれで...」マスターも少し乗って来た。
「ところがさぁ、その馬を調べたら牡だったんだよね」
と言ってケンちゃんが大口開けて笑うと
次の瞬間、返却するオシボリがケンちゃんの顔面をしっかりと捕らえていた。

「最近、芦毛馬の好調さに少し注目しているんだ」
オレがジャックダニエルをチビリとやってそう呟くと
アエロリットですね」ケンちゃんがすかさずそう返して来た。
「昔から芦毛の馬は立派な走りを見せてくれていたよ」
マスターにも思い出がたくさんあるようだ。
「芦毛馬の思い出ナンバーワンは?」オレがマスターに問いかける。
タマモクロスオグリキャップメジロマックイーンと数々名馬はいたけど
俺の思い出ナンバーワン芦毛馬はホワイトフォンテンだな」
そう言ってマスターは天井を見上げた。
「白い逃亡者だね」オレも思い出に残っている馬だ。
特に寺山修司がテレビにゲストで呼ばれた日にこの馬が逃げ切り勝ちを納めた。
寺山はレース前に「ホワイトフォンテンの逃げ切り」を予想していた。
正確には願っていたと言った方が良いだろう。
人気はまったく無かった。最低人気では無かっただろうか。
だが、寺山の予想通りホワイトフォンテンは見事に逃げ切って勝った。

オグリキャップという馬も凄かった。
「俺はオグリとイナリワンの世紀のデットヒートを府中で観たからな」
マスターはそれが大いに自慢の種なのである。
「あの毎日王冠は素晴らしいレースだったね」
オレもあの瞬間は府中競馬場にいた。
競馬場全体が二頭のマッチレースを祝福していた。
レース後は誰かれなく近くにいる知らない人々と同じ話題で盛り上がれるという
あの感激は忘れられない。
「それから武豊のお父さんの管理馬のあれ...なんだっけ」
マスターは目を瞑って頭を叩いて馬の名前を引っ張り出そうとしている。
バンブーメモリーでしょ」オレが助け舟を出すと
「そうそう、あの二頭のマイルCSも凄いレースだったなぁ」マスターは目を潤ませる。
「あの翌週に府中でジャパンCを走ったんだよな」
オレはあの過酷なローテーションは忘れられない。メモリーも一緒に出たのも凄い。
「そして2:22.2のレコードのハナ差2着だからな」ホーリックス優勝。
「あのときに魅せたオグリの勝利に対する執念のようなものは何だったんだろうか」
マスターは拳を握って力説する。この話になると盛り上がる。

「そうか、芦毛を狙って一儲け出来るかな?」ケンちゃんは嬉しそうだ。
「お前はフケ対策をもっと徹底的にやれ」マスターは手厳しい。
「フケより芦毛。さぁ切り替え、切り替え」
ケンちゃんは競馬週刊誌を広げて来週の展望をし始めている。
「もっと芦毛馬の情報をくださいよ」オレにそう求める。
「とりあえずヴィクトリアマイルは、スマートレイアー(牝7)とクリノラホール(牝4)が
出てくるようだな」オレはタブレット版の夕刊紙を広げて見た。
ミッキークイーンもペンキで白に塗るか?」
マスターは大本命を芦毛馬に仕立てる作戦だ。
「ダメだよ、グレーでなきゃ」ケンちゃんも満更ではない。

芦毛馬に幸多かれ!

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