競輪
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2017/08/11 15:41
スナック・パドック 「エルムＳ」レース前 その２
ピオネロ(牡６・松永幹厩舎)にルメールが乗ってくる。そして、ロンドンタウン(牡４・牧田厩舎)に岩田が乗っ
てくる。クリノスターオー(牡７・高橋忠厩舎)は幸が乗ってくる。このメンバーにテイエムジンソク・古川がど
う立ち回るのか。特に幸騎手のスターオーはスタートから絡んでくる。ジンソクの回りには先に行きたい馬が並
んでいる。それらに行かせて５番手で最初のコーナーを回ろう。道中は馬場の良いところを上手に折り合いつけ
て気持ち良く走ろう。そして、３角、４角で徐々に押し上げ、直線を向いたときには先頭集団の外に付けて一気
に交わしに掛かろう。そして後は気持ち良くグイグイ脚を伸ばそう。それだけの積極的なレースをすることが出
来れば後続にいる怖い馬たちは何も出来ずにレースを終えることになる。例え騎手の技術が達者でもそれを発揮
出来なければ意味がない。そんなレースにしたいものである。
「強いジンソクが見れますよ」ケンちゃんは自信満々である。
「クロフネの子だからダートは合うよな」マスターはクロフネには良い思い出がある。
「この馬、21戦して全部ダートで走って、しかも距離は1700〜1900ｍとブレてない」
オレはスタッフの着眼点の鋭さにエールを送る。暮れのチャンピオンズＣ(Ｇ�機γ羌�・ダ1800ｍ)の有力候補に
なって欲しいと思っている。
「ここ３走のレースっぷりを見ると行けそうな気がするな」ケンちゃんは意欲的だ。
「Ｇ�気箸發覆譴侘鮴錣陵瑳圓�集まってくるからな」マスターはＧ�汽譟璽垢僚鼎澆鮹里辰討い襦�
「まっ、先のことは置いといて．．．ここをしっかりと勝つことだな」オレは気持ちを現実に戻した。
「自分でレースを作れるのが強みだよな」マスターの観点は鋭い。
「今回は逃げる展開にはならないと思うけど、勝負所でスッと上がって行ける脚を持ってるからな」
オレはこの馬の安定感に感心しているのである。
「騎手がフルキチに代わってからキッチリと折り合いが付いてるからね」ケンちゃんもレースを良く見ている。
「道中が楽だから末脚を爆発させてるもんな」マスターも直線での末脚の鋭さに感心しているのである。
「あぁ負ける姿が想像つかないよ」ケンちゃんは両手で顔を覆ってそう言った。
「じゃぁ単勝に全財産をつぎ込め！行け〜っ！」マスターからゴーサインが出た。
「そんなコトしたらオッズが大幅に下がっちゃうよ」ケンちゃんから意外な言葉が返ってきた。
「あれっ？お前、そんなに金持ってんの？」マスターは驚きの表情を作った。
「まあね」ケンちゃんは少し胸を張った。
「じゃぁ俺、お先します」ケンちゃんが止まり木のイスから降りた。
マスターが飲み代の計算を始める。
「あっ、マスター、きょうの分は次の時でいいっすかね」ケンちゃんが小声になった。
「あれっ？お前、単勝オッズ大幅に変えるほど金持ってんじゃないのか？ん？」マスターのいじめが始まった。
「まっ、あることはあるんすけど．．．今、財布には無いんですよ」ケンちゃんは財布を開いて中を見せた。
「あれっ？お前、きょうの飲み代をジンソクの単勝にぶち込むつもりだな」マスターは人差し指を伸ばしてケン
ちゃんの鼻先に持っていった。
「日曜日の夜には大金持ちに成りますから．．．そうすれば飲み代を倍にして払いますから．．．」
ケンちゃんの声は弱々しい。しかし、目は何かにとりつかれているように光っている。
「おっ！倍にしてくれるのか？悪くないねぇ」マスターのギャンブラーとしての血が騒いだ。
「よし！次まで待つ！その代わり倍にして持ってこいよ、必ず」マスターは目を瞑ってきっぱりと言った。
さぁ、ジンソクが見事な走りを見せて、ケンちゃんの借金返済がスムーズにいくだろうか？
レースも楽しみだが、そっちも楽しみである。
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- ロンドンタウン
- クリノスターオー
- テイエムジンソク
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