競輪
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2017/09/28 12:00
スナック・パドック 「スプリンターズＳ」レース前
「もうレッドファルクスしか見えないっすよ」ケンちゃんの思いは熱い。
「危険だぞ、そういう回りが見えない状態は危険だぞ」マスターもファルクスが気になっている。
「だって相手はメラグラーナとセイウンコウセイっすよ」ケンちゃんは実力に差があることを主張する。
「う〜ん、そう言われればそうなんだよな」マスターは顎に手を当てて小さく頷く。
「セイウンコウセイはＧ�鞠呂世勝廛�レは高松宮杯を鮮やかに抜出した姿が忘れられない。そして、
「レッツゴードンキだっているだろ」桜花賞馬を忘れてはならないと注意を促す。
「それを言うならスノードラゴンだってＧ�鞠呂辰垢茵�３年前のここを勝ってるじゃないっすか」
ケンちゃんは芦毛馬の話になるとトーンが高くなる。
「ビッグアーサーは、去年の高松宮杯を勝ってるからな」マスターは情報を付け加えた。
「短距離のレースだから先行する馬が有利の様に思うけど、昔から先に行くがなかなか勝てないレースだよな」
オレは常々そう思ってこのレースを見ている。
「中山は坂がキツイからどこで加速するかがポイントになるからな」マスターはそう見ている。
「ねっ、レッドファルクスしか勝つ馬はいないでしょ」ケンちゃんはもう一途である。
「何かお前のその自信満々な顔を見ていると、逆に心配になるな」マスターが不安そうな顔を見せた。
「あれっ？そんなコト言ってる。マスターも一緒に自信を持ってくださいよ」ケンちゃんは願う。
「ワンスインナムーンを応援するわ」桃ちゃんは牝馬の応援団長だ。
「成長著しい牝馬だぞ。いいトコに目を付けたね」オレは桃ちゃんの着眼点に敬意を表した。
「ローカルだけど２連勝中っすからね。高松宮杯に出たりして大舞台の経験も積んでるんすよ」
ケンちゃんは桃ちゃんが喜ぶ情報をサラリと流す。
「調教ＶＴＲを見ると、動きにキレがあって脚捌きもしっかりとしてるな」オレは合格点を与えている。
「いいじゃない。早めに動いて後ろから来る有力馬が届かないっていう展開が理想的ね」
桃ちゃんは早くもレース展開を描いている。
２着にレッツゴードンキが伸びて来て、牝馬ワンツーフィニッシュが桃ちゃんの望みである。
去年のこのレースは、レッドファルクスが大外を回って、豪快に末脚を伸ばして勝った。とは言え楽勝では
無かった。加速が付いたのは、最後の直線の急坂を登り終わってからだった。残り５０ｍからの伸び脚だっ
た。前を行くミッキーアイルを捕えたのは残り５ｍも無かった。陣営にすればヒヤヒヤものだった。残り
２００ｍの地点では「もう届かない」と誰しもが思ったハズだ。しかし、デムーロは諦めずに左ムチを大き
く振って馬に激を入れ続けた。その騎手の動きと、馬の動きが一体化したのが残り５０ｍだった。そこから
の動きは回りの馬たちが止まって見えた。ファルクスとデムーロだけが動いているように映った。終わって
みれば、素晴らしいレースが作り上げられていた。
「去年のような展開のレースになるのかね」マスターはファルクスの激走を思い出している。
「もっと楽に勝ってもらいたいっすよ」ケンちゃんは心臓に悪いと言って胸をさする。
「そこ肺だぞ。心臓はもっと下だ」マスターはどうでもいいことに気が付くタイプだ。
「いやいや、短距離戦の重賞、しかもＧ�気世�らな。そう簡単にはいかないぞ」オレはそう見ている。
「でも、最後に先頭でゴール板を通過するのはファルクスしかいないっすよ」ケンちゃんはそう信じている。
「俺もそう願いたいな」マスターも素直にケンちゃんに乗っかるようだ。
「レッツゴードンキの復活に期待してみようと思う」
オレはファルクスのさらに後ろから追いこむこの馬の末脚に期待しようと思う。岩田の派手なアクションが
見ものである。
さぁ、秋初戦のＧ�汽譟璽后�どんな結末が待っているのやら．．．。期待は膨らむのだが．．．。
- レッドファルクス
- ルクス
- メラグラーナ
- セイウンコウセイ
- レッツゴードンキ
- スノードラゴン
- ビッグアーサー
- ワンスインナムーン
- ミッキーアイル
