590件のひとこと日記があります。
2017/10/06 16:33
スナック・パドック 「毎日王冠」 レース前・その2
「ソウルスターリングの動きはどうだい?」マスターは調教での動きを聞いて来た。
「う〜ん...」オレは言葉に詰まった。
「えっ?おいおい、ダメなのか?」マスターはグラスを磨いていた手を止めた。
「あそこの厩舎の調教は素人向きじゃないからな」オレは手の内を見せない調教方法が気に入らないのだ。
「馬が利口なんだな」マスターは本番と稽古で走り分けているのだろうと言う。
「最後は必ず前を行く馬を捕まえる動きをするんだけど、内側を走っているから外側の馬と重なってその姿が
確認できないんだよな」オレは消化不良の調教VTRに不満タラタラである。
「順調なんだろ?」マスターはオレの顔を覗いて確認する。
「う〜ん...」オレはまた言葉に詰まった。
桜花賞のときは3頭併せの一番内側で、前の二頭を追い掛ける形で最後のコーナーを回る。直線に向いても
馬ナリで走らせ前を追う形を維持する。ゴール前に差し掛かったときに馬が勝手に動いて前の馬を捕えに行く。
そうなるとスピードの乗りは素晴らしく、前の二頭を簡単に捕えて抜いて行く。というものだった。
オークスのときも桜花賞のときとほとんど同じ内容だった。違ったのはルメールが乗ったということ。そして、
ゴール前では少しルメールの手が動いて前の二頭を捕まえに行ったということ。スムーズな動きだった。
今回は二頭併せの内側を進み、最後のコーナーを追いかける形で回って、ゴール前に差し掛かったときに自分
から動いて前の馬を捕えに行くといういつも通りの調教だった。いつも通りのソウルスターリングだった。
がしかし、ゴール板を過ぎてフェードアウトする姿に今回はバラ付きが見えた。自分から走るのを止めたように
見えた。「ゴール板を過ぎたのだからいいだろう」と言うが終わり方は大切である。スムーズな動きでゆったり
と並み脚に戻る姿が理想なのではないのか。
「王冠をいただくのはソウルスターリングよね」桃ちゃんがマスターに確認している。
「3歳牝馬の女王だからな。資格は十分さ」マスターにしては謙虚な話っぷりである。
「逃げるんじゃない?」桃ちゃんはこれといった逃げ馬がいないという情報を新聞で得ていた。
「目標にされるってのはどうかな?」マスターはその作戦を推奨していない。
「牝馬が逃げる姿は美しいわよ」桃ちゃんの持論である。
「府中の直線は長いからな」オレは有力馬が逃げ切れなかった姿を何頭も見て来ている。
「王冠をいただくには、それでも逃げ切らないといけないのよ」桃ちゃんの細くて長い指が天井を指した。
「おお!ピーチ姫!」マスターは舞台俳優気取りで両手を広げてそう叫んだ。
「ウインブライト、いい動きじゃないっすか」ケンちゃんが珍しく顔を出すのが遅くなった。
「また芦毛馬か。あんたも好きねぇ〜」マスターが色っぽい声を出す。
「体調が戻ったかもな」オレも調教VTRでスムーズな動きを確認していた。
「週末に雨が降るっていうから狙えるかもね」ケンちゃんはワクワク気分だ。
「そんなエコ贔屓情報より調教で動きが良かった馬を教えろよ」マスターがオレに振る。
「サトノアラジンとリアルスティールが良い動きだったな」オレはアッサリと答えた。
「リアルスティールは府中が向いてる走りでいいぞ」
「サトノアラジンはここへ来て落ち着きが出て来たように思うな」
毎日王冠で注目する役者たちが出揃った。
最大の見どころは、今年のオークス馬が古馬のつわもの達に混ざってどんな戦いを見せるのか、である。
「頑張るのよ」桃ちゃんの声援が届くかどうか...楽しみである。
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ビギンザビギンさん
ペペロンジュースさん、こんにちは。不安材料が多く「ソウルで決まり!」と言えないレースのようです。楽しみましょう!
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ペペロンジュースさん
動き自体はいいと思うのですが、馬体を見ても私の琴線にはいまいち触れず。それが何故なのか突き止めるためには、もう少し自分と対峙する必要がありますね。
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ペペロンジュースさんがいいね!と言っています。
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ビギンザビギンさん
馬肌実さん、こんにちは。楽しみです。よろしくです!
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馬肌 実さん
おはようございます。
それぞれ好枠に 収まった感があります。
舐められ過ぎな リアル。
絶好枠の サトノ。
楽しみですね。
ロンドンは 過剰人気のような(´Д` ) -
馬肌 実さんがファイト!と言っています。
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馬肌 実さんがいいね!と言っています。