スナック・パドック　「府中牝馬Ｓ」　レース前

「ズバリ、小池百合子の狙いは何か！」オレは今度の衆議院議員選挙の行方を読んだ。
「女性初の総理大臣の椅子、だろ」マスターはそう見ている。
「そう、最終的にはそうなんだけど、この選挙で狙っているのは”安倍降ろし”だよな」とオレは見る。

今回のこの衆議院議員選挙は何のために行われるのか？自民党が大勝利を納めて「与党で2/3の議席」を確保す
るためだ。そうなれば何でも出来る。自民党が考えることは全て実行に移せることになる。11月に来日する米国
・トランプ大統領と前向きな外交の話が出来る。衆議院の解散を決めた安倍総理は、民進党と小池新党がぶつか
り合って票の食い合いをするから、小選挙区では自民党が大勝利を上げるという目論見だった。しかし、その民
進党と小池新党は合流する形をとった。候補者を一本化して選挙を戦う姿勢を見せた。そのことにより、票の行
方は大方改選前と同じという予想になっている。だったら選挙をやる意味が無いではないか。選挙にどのくらい
の税金が使われるのか知っているのか。また借金が増えるのだぞ。
22日に選挙は実施され衆議院議員の顔ぶれは決まる。自民・公明の与党は過半数を確保してひと段落は付く。そ
して問題は次に行われる首班指名で起こる。希望の党(小池新党)は「石破茂」と書いて投票を入れる。自民党の
中にも石破寄りの人間には前もって知らせておき、「石破茂」と書かせる。そうするともしかしたら安倍晋三と
書いた票よりも石破茂と書いた票が上回り、議長の口から「内閣総理大臣は石破茂くんに決しました」という結
果が発表されるかも知れない。このことにより小池百合子の「安倍降ろし」作戦は成功して、自民党と希望の党
は連立して内閣を形成する。そして何年後かには女性初の総理大臣・小池百合子が誕生することとなる。

「女は強いな」マスターのその一言には重みがある。
「ディフェンディングチャンピオン・クイーンズリングはどうっすかね？」ケンちゃんは気になるようだ。
「最終追い切りが軽いんだよ。散歩程度なんだ」オレはあの調整では納得がいかない。
「でも、去年勝ったときも同じ調整方法なんだよな」オレはそれがもっと気に入らない。
「輸送を考えてそうしてんだろ。もう仕上がってるんだろうから...」マスターはそう言って納得している。
「今年に入って15着→６着って成績だから少しは調整方法を考えないっすかね」とケンちゃんは言う。

「わたしはヴィブロスを応援するわ」桃ちゃんにしては珍しく堅いご指名だ。
「ドバイ帰りのハリキリ娘だね」マスターは海外競馬勝利を高く評価している。
「大魔神の持ち馬なんでしょ」桃ちゃんは情報を仕入れていた。
「シュヴァルグランは持ってるし馬運がいいっすよね」ケンちゃんは大魔神が羨ましいと言う。
「持ってるのよ、大魔神は。表彰式に出るのも府中だったら近くて楽じゃん」桃ちゃんはそこまで読んでる。
「府中で走るのは初めてっすね」ケンちゃんはそこを心配する。
「柔らかいフットワークで走る馬だから問題ないと思うよ」オレは利き脚による影響は少ないと見ている。
「わたしも大魔神と並んで表彰式に出たいな」桃ちゃんは夢のような無理を言う。
「そしてお姫様抱っこしてもらいたい」桃ちゃんは完全に勘違いしている。競馬場だぞ。

「アドマイヤリードの動きがいいな」オレは調教での前脚の掻き込みの強さを伝えた。
「前走は札幌でアエロリットに完敗だったな」マスターはこの馬に裏切られているので恨みがこもっている。
「馬場が渋った方が良さそうっすよね」ケンちゃんは天気予報が気になる。
「右脚での蹴りの強さがあるので完全に府中向きだな。直線での走りは見ものだぞ」オレは興味を煽る。
「そうか、そんなに鋭いか。じゃぁ札幌の負けは許してやるとするかな」マスターは色気を出す。
「今回も裏切られたらどうするんすか？」ケンちゃんは迷うマスターの決断を揺るがす。
「うっ！もし、もしそうなったら．．．殺す！」マスターはピストルの引金を指で動かす仕草をした。
「なりませぬ！なりませぬ！お馬様をアヤめてはなりませぬ」ケンちゃんは猿之助になっている。
「じゃ、リードは止めだ」マスターはアッサリと諦めた。いいのか？そんなんで．．．。

小池百合子の野望予想も難しいが、府中牝馬Ｓの予想も難しい。

オレとしては、小池百合子はどうでもいいが、府中牝馬Ｓはぜひ的中させたいものである。