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2017/11/18 18:47
スナック・パドック 「東スポ杯2歳S」 レース後・その1
「ワグネリアンもルーカスも強いのは分かってたんだけどな」マスターは馬券をゲットしたものの浮かない顔だ。
「7頭立てっすからしょうがないっすよ」ケンちゃんはルーカスから馬単で行ったので外している。
「馬連で2倍を割るなんて馬券じゃないな」マスターの不満はつのるばかりだ。
「でも一点勝負でとったんだからいいじゃないっすか」ケンちゃんは損しなかったことを強調した。
「そりゃぁそうだな。明日のファルクスでドーンと儲けさせてもらうか」マスターは切り替えが早い。
「ルーカスはワグネリアンをピッタリとマークする作戦に出たな」オレはそれでは勝てないだろうと見ていた。
「4コーナーを回ってすぐにルーカスの進路が塞がれた形になったよな」マスターはあそこがポイントと言う。
「いやいや、ワグネリアンの外に持って行っても勝てなかったぞ」
オレは現時点でヨーイドンでの末脚の爆発力はワグネリアンが一枚上だと思っていた。
「どうすれば勝てたっすかね」ケンちゃんから質問が飛ぶ。
「欅の手前か向う正面からスパートを掛けてワグネリアンを慌てさせる手が必要だったな」とオレ。
「新馬戦の時はそういうレースをやったんだろ」マスターはそれを覚えていた。
「そうなんだよ、あれだよ、あれ」オレはあのマクリ競馬がもう一度見たかった。
ワグネリアンは悪いスタートでは無かったが二の脚は伸ばさずゆったりとレースを進めた。後ろから3番手で
しっかり折り合ってマイペースで走った。動き始めたのは定石通り3コーナーを回り始めたときだった。カフジ
バンガードといっしょに上がって行き、前を行く3頭にグイグイ迫って行った。4コーナーを回ったときには
一番外のコースを選択して前が詰まる危険性を削除した。最後のコーナーを回り終えるとキレイに手前を右に
代えてスパートを掛けた。いつものようにガニ股で格好は悪いがスナップの利いた回転の速いフットワークは
見事なキレである。グイグイと末脚を伸ばして、先頭に立ったのは残り200mのハロン棒近く。きょうは途中で
左手前に代える事無くそのままゴール板を先頭で通過した。後続を3馬身突き放しての楽勝だった。
ルーカスのスタートはそれほど良いものではなかった。ムーアが意識して抑えた可能性はある。最後方からの
追走となった。ターゲットのワグネリアンを2馬身後ろから追う形で道中を進んだ。ワグネリアンが動き始めた
3コーナーではいっしょにスパートしてその差は維持した形で4コーナーを回った。ここでルーカスはワグネリ
アンの外は狙わず内を選択した。しかし、内には2頭いて進路が取れない状態になった。大外のワグネリアンも
内に寄せて走ったので割り込むスペースが無くなった。そこでルーカスは外へ進路を変えてワグネリアンのさら
に外から進路を取らざるを得なくなってしまった。この斜めに動いた走りがロスになったように見えた。がしか
し、それが無くてもワグネリアンとの差を詰めることは出来なかったのではないかと思われる。完敗である。ル
ーカスの左回りの走りは順調であった。最後のコーナーを回るとすぐに手前を右に代えて、スパートを掛けて、
ゴール手前100m地点で左手前に代えてさらに脚を伸ばした。ダービー馬を目指す馬としては大いに喜ばしい動
きを見せてくれた。
続く...