競輪
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2017/11/24 09:21
スナック・パドック 「京阪杯」 レース前
「なぜセイウンコウセイ(牡４・上原)は勝てなくなったのだろうか」オレはカウンターでポツリと呟いた。
「今年の高松宮杯(中京・芝1200ｍ)を最後の直線で鮮やかに抜け出して勝ってるんだからな」とマスター。
「栄えあるＧ�鞠呂辰垢�らね」明らかに格上の存在である。ケンちゃんは腕組みをして首を傾げている。
「あの宮杯の時は直線であのレッドファルクス(牡６・尾関厩舎)をヨーイドンで負かしてるからな」
とオレはあの時の強烈な末脚を忘れられないでいる。小雨が降る天候で下は少し緩かった。
「馬場が渋らないと力が出ないタイプなんじゃないのか？」マスターは欠点を鋭く探る。
「いやいや、前走のスワンＳ(京都・芝1200ｍ)は重馬場で全然走らなかったぞ」３人気で14着だった。
「左回りコースじゃないと走らないとか．．．」ケンちゃんもそれなりに考えてみる。
「８戦前だけど東京コース(芝1400ｍ)で13着ってのがあるぞ」オレは二人の疑問に該当しないを伝える。
「長距離輸送がダメなんじゃないのか？」マスターは「これだろう」と自信の謎解きだ。
「宮杯は中京だったし、京都に遠征して２勝もしてるぞ」どうしてもダメパターンがつかめない。
デビュー戦は東京(芝1800ｍ)だった。ゲートで出遅れ良いところ無しの９着。ほろ苦い初戦となった。１勝を上
げるまでに７戦を要した。この時は中山のダ1200ｍを走っている。逃げ切り勝ちだった。クラスを上げると芝コ
ースに戻している。３歳500万下を卒業するのは９戦目(東京・芝1400ｍ)だった。これもまた逃げ切り勝ちでの
勝利だった。10戦目は福島で1000万下の特別戦(芝1200ｍ)で２番手追走で抜け出して勝っている。初めての連勝
である。３連勝を狙った1600万下の特別戦(東京・芝1400ｍ)は13着と大敗を喫する。クラス上がりで苦しむのか
と思っていた12戦目は京都・芝1400ｍ、16頭立ての11番人気だったが見事な逃げ切り勝ちを収めて快勝した。続
くオープン入り初戦の淀短距離Ｓ(京都・芝1200ｍ)は５人気だったが好位抜け出しの作戦がハマり、またまた連
勝である。オープンの壁も一発でクリアしてしまった。これは大物誕生と周囲の期待を背負い14戦目はＧ�機�
高松宮杯(中京・芝1200ｍ)へと駒を進めた。５番人気の重賞２戦目は見事な直線抜け出しが決まり栄冠を手にし
た。大アッパレであった。この調子で成長すれば一体どれだけの大物になるのであろうか、と周囲は大いに期待
をした。そして６月中旬には函館スプリント(函館・芝1200ｍ・Ｇ��)に臨んだ。ここは当然のように１番人気に
支持される。何たってＧ�鞠呂任△襦�いつものように好位を進んで良い形を作ったように見えたが直線伸びずに
４着に沈んでしまう。そして、夏場は使わないで秋に標準を合わせた。10月の頭のスプリンターズＳ(中山・芝
1200ｍ)に出走した。前走が案外だったものの３番人気に支持された。先行して良いポジションをキープしたも
のの最後の直線に向いても伸びない。ズルズル後退して結局11着に沈む。どうしたんだ？。そして10月末のスワ
ンＳ(京都・芝1400ｍ)に臨んだ。しかし、ここでも結果は出せなかったのである。
「成績は上がらないけど調教での動きは素晴らしいんだ」オレは結果が出ないのが不思議でしょうがない。
「調子はいいのに結果が出せないでいる。う〜ん、事件だ」マスターは顎に手を当てて何やら探偵のようだ。
「この馬柱に何かが隠されているんすかね」ケンちゃんはスマホの戦績表示を睨む。18戦６勝である。
「分かった！騎手だ。この馬、騎手が代わるたびに勝ってるぞ」マスターはパンドラの箱を空けた気分だ。
「ホントだ。６勝のうちの４回は騎手代わりの時っすね」ケンちゃんは目を丸くして馬柱を指差す。
今回の松田は12戦目1600万下を勝ち上がった時から３戦乗った経験がある。１着→１着→２着と好成績を残し
相性の良さ抜群だったが道交法違反を起こして処分を受けることとなり乗ることが出来なくなってしまった。
「なぁんだ、そんなコトだったんすね」ケンちゃんはもう当たり馬券を握った感覚になっている。
「いやいや、まだ信用できんぞ」マスターは馬券を買う段になるとやけに慎重になる。
「何言ってんすか。今買わないと一生後悔しますよ」ケンちゃんは大げさにそう言ってコウセイに◎を打った。
さてさて、ここ２戦の凡走は大いに気になるものの調教での走りはファルクスに負けないくらいの動きである。
やる気が出るのか出ないのか．．．．見てのお楽しみ．．．って演芸じゃなくて競馬だからね...。
- セイウンコウセイ
- レッドファルクス
- アッパレ
- プリン
- パンドラ
- コウセイ
- ルクス
