競輪
590件のひとこと日記があります。
2017/12/12 07:51
スナック・パドック 「阪神ＪＦ」 レース後
「あらっ、わたしも特上卵かけごはんを食べたかったな」桃ちゃんは肩ひじ付いて不満顔だ。
「あれは美味かった。最後の晩餐はこれだな、って思ったよ」オレはエアー掻き込みで美味さを表現した。
「あれを人は至福のひと時って言うんすかね」ケンちゃんは舌なめずりをして美味さを表現した。
「悔しい、何か悔しい。マスター！何とかして！」桃ちゃんは喉から手が出ている。
「まっ、きょうのところは諦めてもらって．．．。今度の週末にでもやるか」マスターがその気になった。
「嬉しい、土曜日？、ねぇ土曜日？」桃ちゃんはすっかり気合が入った。
「アレグロはあそこから伸びて来るかなと思ったけど無理だったな」マスターは小さな溜息をついた。
「オレも期待して見ていたけど．．．でもあそこから突き抜ける脚が無いとな．．．」トーンが下がる。
「外枠だったっすからね」ケンちゃんは敗因をそこへ持って行った。
「一番人気のロックディスタウンは大外枠で９着だったからな」マスターも枠順の有利不利を上げる。
「ルメールが乗ってあの結果だからな．．．力不足だな」オレは少女たちの戦いの難しさを感じた。
「石橋脩っていい男よね」桃ちゃんはテレビで勝利騎手インタビューを見ていた。
「乗れてる騎手っすね」ケンちゃんはこのところの彼の活躍に注目していた。
「33歳、油の乗り頃だな」マスターはスマホでプロフィールを探した。
「あの眉毛がいいわね」短めでかなりの角度外上りで怒り眉毛を桃ちゃんは褒めた。
「うんうん、あの形、いいっすね」ケンちゃんも気に入って見たようだ。
「間違っても真似したらダメだからね」桃ちゃんはケンちゃんに大きく太い釘を刺した。
「あれっ？何で？」ケンちゃんは怪訝な顔になった。
「もし真似したらわたしがスパッと剃るからね」桃ちゃんはカミソリで剃る格好をして見せた。
「えっ？ダメなの？」ケンちゃんは思わず自分の眉毛を手で覆った。
「あんたに似合う訳ないでしょ」桃ちゃんはキッパリと言い切る。
「そうだそうだ、お前に似合う形じゃないだろ」とマスターが加勢する。
「でしょ。どう考えても似合わない」桃ちゃんは生中のジョッキーを一気に煽った。
レースの結果は、３着までに「２番人気→３番人気→４番人気」と入って落ち着いたものとなった。そして、
関東馬が２着〜４着まで入線して、東西のバランスも落ち着いたものとなった。勝ったラッキーライラック(牝
２・松永幹厩舎)はこれで３連勝。新潟→東京→阪神と走っての結果である。今後の活躍が大いに期待できる。
鞍上の石橋脩騎手は、松岡騎手と同期の３３歳。Ｇ�毅仮〔椶乃骸蠅箸靴討稜錣�付いた。最初の所属厩舎が、
柴田政人厩舎だったことに注目したい。柴田政人と言えば騎手時代に岡部幸雄元騎手と肩を並べる名ジョッキー
として関東の競馬を支える人物だった。運動神経抜群でセンスのあるモンキー乗りが印象的な騎手だった。「
追えるジョッキー」との称号は、ゴール前のあの鞍上での姿を思い起こせばピッタリであった。わたしが忘れら
れないのは、1993年初ダービー制覇となったウイニングチケット(伊藤雄二厩舎)での騎乗。あの時は、ライバル
にビワハヤヒデがいて、ナリタタイシンがいた。そして、1989年の毎日王冠でのイナリワン(鈴木清厩舎)の騎乗
である。勝ったオグリキャップ(瀬戸口厩舎)との直線500ｍのデッドヒートが素晴らしかった。関西・南井騎手
との壮絶な叩き合いは歴史に残るものだった。その名ジョッキーだった柴田政人から教えを乞う形になった石橋
脩である。柴田政人と言えば職人気質で無口な人である。俺の背中を見て覚えろ、というタイプである。具体的
な指導はほとんど無かったのではないか。ただ、すぐそばに名ジョッキーがいる環境で育つというのは、何も無
い手探り状態で育つというのとはまったく違う。ここぞ、という大事な時に柴田政人の口から出るアドバイスは
どれほど石橋脩を支えたのかは知る由も無いが、石橋脩が騎手として生きて行くための指針として重要なファク
ターになっていることは察しが付く。今、その教えがドンドン実戦で行かされているように思う。楽しみだ。
「今週は朝日杯ＦＳっすね」ケンちゃんは少し気合が入っているようだ。
「今度は少年たちの駆けっこなのね。どうせ"かける"なら断然卵かけごはんがいいわ」桃ちゃんは色気より食い気だ。
- アレグロ
- ロックディスタウン
- バラン
- ラッキーライラック
- ウイニングチケット
- イバル
- ビワハヤヒデ
- ナリタタイシン
- イナリワン
- オグリキャップ
- バイス
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ビギンザビギンさん
観薫さん、デビュー３戦目でダービー制覇を成し遂げ「和製ラムタラ」と呼ばれたフサイチコンコルドはニジンスキーの孫らしいハイカラな馬でした。そのダービーで断然人気のダンスインザダークを破って武豊よりも藤田が先に栄冠を手にしたのが印象的でした。ブエナビスタ、なるほど素晴らしい血統の組み合わせが背景にあったのですね。何か嬉しいです。
2017/12/14 07:14
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観薫さん
フサイチコンコルド、タイキシャトルは90年代Caerleon派の象徴でした。ご多分にもれず自分も。藤澤厩舎と岡部Jのファミリーは全盛でしたね。マルゼンスキーは教典のような朝日杯3歳を見せられると最強馬説の反論に困りますね 笑 ブエナビスタでマルゼンスキーとCaerleon の邂逅が結果を伴った時は感動しましたね。卵とご飯の出会いと同じ幸福な出来事でした。
2017/12/13 22:42
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ビギンザビギンさん
観薫さん、マルゼンスキー最強馬論はわたしも支持しています。1977年の有馬記念でのテンポイントとトウショウボーイのマッチレースを最強と見る向きもありますが、わたしはあそこにマルゼンスキーがいたら、あの２頭の前を走っていたと推測しています。
2017/12/13 06:56
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ビギンザビギンさん
観薫さん、Caerleon派でしたか。シンコウラブリィは身体の曲線が美しい馬でした。騎手人脈では、タイキシャトルが勝った1997年スワンＳ(京都・芝1400ｍ)で、藤澤和厩舎から５頭出ていて、岡部・横山典・田中勝・坂本・ロバーツが乗っていました。蛯名が加われば当時の藤澤和ファミリーと呼ばれる集団だったと言えますね。
2017/12/13 06:49
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観薫さんがいいね！と言っています。
2017/12/12 23:34
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観薫さん
柴田元Jですか。ウイニングチケットは自分にとっては追体験ですが、Nijinsky→マルゼンスキーの信者は自分の周りにも沢山いました。自分はNijinsky →Caerleon派として今に至ります 笑ウインニグチケットは毀誉褒貶あるイメージですが、名前のシンプルさが好きです。当たり前ですが、当時の騎手の文脈が後継に引き継がれていくのは感慨深いですね。競走馬だけでなく。
2017/12/12 23:34
