競輪
592件のひとこと日記があります。
2021/11/06 14:40
スナック・パドック「アルゼンチン共和国杯」
マスター「オーソリティ(牡４・木村厩舎・鹿毛)でカタそうだな」
ニシ「ルメールを用意出来たし、何てったって去年の勝ち馬っすからね」
留「グリグリの◎で面白くねぇな」
オレ「アンティシペイト(牡４・国枝厩舎・鹿毛)が面白そうだぞ」
マスター「やっとオープン入り出来た新入りじゃぁねぇかよ」
オレ「タケシ(横山武史騎手)が乗る逃げ馬ってトコが魅力なんだよ」
ニシ「おっ！タイトルホルダーっすね」
留「アルゼンチンでタイホルのか？」
マスター「おいおい、二匹目のドジョウを狙うのかい？」
オレ「そうさ、ビュンビュン飛ばしてガンガン行ってタイホルってもらおうじゃないか」
ニシ「あれっ？ここ２走は出遅れてるっすよ」
留「いいんだよ、出遅れたって二の脚使ってガンガン行けば問題なし。距離は十分にあるからな」
マスター「府中の2500ｍはゲート出て直線が長いからな」
オレ「調教の動きは悪くないぞ。左回りのウッドチップコースを３頭併せの真ん中で追われたんだけど、スムーズな脚捌きで調子は良さそうだ」
ニシ「３頭出しの国枝厩舎の一頭っすね」
マスター「定年間近の調教師だから一戦一戦に気合が入ってるんだろう」
オレ「あの調教師のハスキーな声で『走れ！』って声かけられたらどんな馬でも走る気になるぞ」
留「おいおい、競馬界でもハスキーボイスは人気なのか？」
マスター「八代亜紀か？森進一か？・・・」
オレ「いやいや、藤圭子でしょ」
話がとんでもない方向に行きかけたときに店のドアが開いて妙齢の女性がフワリと入場である。
マスター「いらっしゃい！久しぶりじゃないか、チエちゃん」手を振って歓迎している。
チエ「あらマスター、お元気？」片手に競馬新聞を握っている。
ニシ「久しぶりっすね」チエちゃんのとなりの席に座ってご機嫌を伺った。
チエ「あらニシちゃん、生きてたの？」マスターが生ビールの中ジョッキを運んでくる。いきなり煽ってジョッキの半分が一瞬で消えた。
オレ「相変わらずの飲みっぷりだね」感心して覗いてしまう。
チエ「プワァ〜！ウマい！生きてる、このために生きてるのよね」カウンターにゴトンとジョッキを置く。右手の親指の付け根で唇をなぞる。フワ〜っとため息をつく。
ニシ「ヒェ〜〜！何か凄いもんを久しぶりに見ちゃった感じっす」首をすくめた。
チエ「アルゼンチンは牝馬がいないじゃないの。なぜ？おカマが２頭いるみたいだけど・・・」
留「アルゼンチンってんだからポコチンが有る馬しか出られねぇんだよ」すっかり顔を赤くして出来上がっている留さんが口を挟む。
マスター「違ぇねえ」
ニシ「ヒェ〜〜！新解釈っす」
チエ「あらっ、そういうコトなの？じゃぁ仕方ないわね」
マスター「おいおい、納得しちゃうのかい・・・」
ディフェンディングチャンピオンのオーソリティが抜けた人気になると思っていたが、フライライクバード(牡４・友道厩舎・黒鹿毛)の人気が高まってどちらが一番人気になるのか微妙なところとなっている。バードは１２戦して青葉賞以外はすべて一番人気で戦ってきた馬である。常に人気が先行する馬である。ということは見栄えが良い馬ということが言える。４７０�圓妊妊咼紂爾靴童什澆錬苅僑悪堊宛紊農錣辰討い襪里世�ら大柄で目立つ馬ではない。パドックで観ると、均整のとれたスッキリ馬体で黒光りした毛並みをゆったりとした歩様で逞しく動かしている。あの雰囲気が人気を押し上げる要因なのだろうと思うところである。友道厩舎というブランドも人気押し上げる要因であることは間違いはない。
マスター「◎オーソリティ、〇フライライクバード、▲アンティシペイトで行ってみるか」
留「◎アンティシペイトで行くんじゃないのかよ」
ニシ「マスターはそんなギャンブルはしないっすよ」
留「ギャンプルしないって、お前、競馬やっててギャンブルしないってのはおかしいだろ」深く酔ってヘベレケな留さんが結構まともなコトを言う。
チエ「フライライクバードは来ないわよ」すでに呂律が回っていない。
ニシ「えぇ〜！な、なんでっすか？」
チエ「飛ぶのが好きな鳥、なんていう名前の地に足のつかない馬が来る訳ないじゃないの」頬をカウンターに付けてダウン寸前のチエちんゃが囁くように呟いた。ほとんど寝言である。
マスター「違ぇねえ」
ナイゼンチン・チエのヒラメキは如何に・・・微妙な雰囲気の中、スナック・パドックの夜は更け行くのである。
- オーソリティ
- グリグリ
- アンティシペイト
- タケシ
- タイトルホルダー
- ビュンビュン
- スキー
- ハスキーボイス
- コチン
- フライライクバード
