スナック・パドック　2022年「有馬記念」その１・3/3

オレ「そこ、そこなんだよ・・・それが簡単に出来れば効率のいい走りが常に出来る・・・しかし馬の多くは左利きなんだ、だから左脚に頼ってしまう習性が身に染みてしまっているんだ・・・だから左手前で走れるだけ走るってのが普通のサラブレッドと思っていいんだ」
フク「で？どうするんだ？」
マスター「イク君◎で単勝一本！３倍ついてくれりゃぁ御の字よ」
ガミ「いいよなマスターは・・・単純で・・・一頭決まればそれでいいんだもんな」
フク「こんなに馬券が多様化している時代に単勝一点張は流行らないでしょ」
マスター「何言ってんだ、お前らみたいな単細胞人間が３頭選んでその上順番まで当てるなんて所詮無理無理、止めなさいっての」
洗い物の手を止めて両手で罰点ポーズ・・・両手には洗剤の泡が付いている。
マスター「イク君、頼むよ」
今度は両手を合わせてお祈りポーズ・・・マスターの両手は忙しい。
忙しいのはマスターだけではない。さっきフクちゃんのスマホが鳴って「えっ！設計変更？そりゃぁないでしょ・・・」と言いながら店の外へ出て行って仕事の打ち合わせ中なのである。
フク「まいったぜ、ガス管でいいって言ってた工事がステンレスに変更になった、まいった」
マスター「費用が全然変わっちゃうだろ」
フク「材料費は支給だからいいんだけど機械のパーツが変わっちゃうんで困るんだよ」
オレ「イノックスってステンレスのことらしい」
フク「おいおい待ってくれよ・・・イノックスで俺は困ってるんだぞ」
ガミ「イノ君切りっすか？」
フク「だろうよ、ステンレスで困ってる俺が喜べるかよ」
マスター「いいね、降りてくれ。配当が上がるんだからこっちのもんさ」
マスターの笑顔とフクちゃんの困惑顔・・・今年の〆のレースの結末は・・・楽しみだ。