スナック・パドック　2022年「有馬記念」その２　1/2

マスター「どうだった？イク君の調教は？」
オレ「いいね」
ガミ「もっと詳しく・・・知りたいっす」
フク「ステンレス野郎の調子はいいのか・・・ふん・・・」
今日は仕事が早く終わって昼飯といっしょに酒を飲んじまった割にはフクちゃんは冷静だ。
マスター「ステンレスが走ったら鉄板より固いんだぞ・・・どうだ！」
ガミ「鉄板より硬いんじゃ、なすすべ無しっす」
フク「ちくしょう！ステンレスより固い馬はいないんかい・・・」
オレ「いるぞ」
マスター「何？イク君より強い馬がいる？・・・そんな訳ねぇだろ」
フク「勿体つけないで早く発表しろよ」
ガミ「やっぱタイトルホルダーって言うんでしょ」
３人の眼が俺に集まる。俺はおもむろに３杯目のハイボールで喉を潤して・・・
オレ「ヴェラアズール」と発表した。
マスター「おいおい・・・確かにジャパンＣを勝ったけどまだ一流馬とは言えないだろ」
ガミ「確かに・・・まだちょっと・・・」
オレ「ジャパンＣの残り200ｍの攻防を見ただろ・・・馬たちが狭い隙間を縫うように走り身体をぶつけ合いながらのせめぎ合いを見事に制したヴェラのあの走りを・・・」
フク「確かにあのレースは激しいレースだったな」
マスター「あれはムーアという世界的な名手が背中にいたからこその勝利だろ」
ガミ「海外競馬を見ているようだったっす」
オレ「そう、日本の競馬に無い要素があのレースにはあったよな・・・それをスンナリこなせてしまうヴェラは凄い、もうすでに一流馬と言えるぞ」
・・・続く