スナック・パドック「2023ヴィクトリアマイル」その２

マスター「どうだった？ソダシの調教は」
オレ「いつも通りの走りで能力は落ちてないな」
ガミ「ふむふむ、行けるっすね、ソダシで」
マスター「今回もＣＷと坂路の併せ仕上げかい？」
ガミ「そうっす、いつもの仕上げスタイルっす」
オレ「一週前のＣＷは抜群の動きを見せたな。コーナーリングはスムーズですぐに手前を左に替えてビューン！」
マスター「じゃぁ今週の坂路は流す程度かい？」
オレ「ソダシにとっては楽走でも時計は十分過ぎるものが出ている」
ガミ「成長してるっす・・・リラックスして臨めそうっすね」
バタン！カランコロン！店のドアが勢い良く開いて鐘の音といっしょにフクちゃん登場である。
フク「ソダシの調教はどうよ・・・えっ？」
ガミ「今その話をしてたんすよ」
マスター「成長が見込めるってさ」
ガミ「だろ、だろ・・・ソダシが頭で決まりだな」
オレ「問題は雨だな」
マスター「ここんとこ週末っていうと雨だからな」
ガミ「傷んでるっす・・・馬場が・・・」
オレ「そう、あの真っ白い肌に泥が飛び散る姿は見たくないね」
ガミ「ゲート出てビューンと飛ばして逃げればいいっす」
マスター「そうすれば汚れないな・・・確かに」
ガミ「そうだよ・・・そういう手もあるな」
オレ「逃げ切りたいな・・・キレイな身体で戻って来て欲しい」

四人が同時に天井を見つめて目を輝かせているスナック・パドックである。しかし、マスターだけはスターズオンアースの直線一気を思い描いて目を輝かせている。「あっ！裏切者がいる！」と言ってガミがマスターを指さした。「な、なんだよ」うろたえるマスター。「まっこれでも食ってくれ」と言ってみんなの前に玉子焼きを置いた。「ダシ巻き玉子だな」フクちゃんが横目で睨む。「ソダシ！」マスターはＶサインを作ってニコリと笑う。