スナック・パドック「2023オークス」その４

ガミ「ゴールデンハインドで行くっす」
マスター「また芦毛か、お前は芦毛しか目に入らないのか？」
オレ「前走で２番手以内に先行した馬はオークス実績は無いらしいぞ」
マスター「逃げて勝ってるからな、ハインドは」
ガミ「全然気にならないっす」
オレ「キャリア７戦以上はここ10回で連対したのは１頭だけだってさ」
マスター「７戦してるもんな」
ガミ「経験が生きるっす、そういうデータは参考にはなるけど決定ではないっす」
オレ「強いて上げれば鞍上が菅原明で成長著しいってコトかな」
マスター「うんうん、確かに乗れてるよあいつは」
ガミ「新潟大賞典のカラテは巧く乗れてるっす」
オレ「ゴール前の叩き合いは姿勢を崩さず巧く追っていたよな」
ガミ「馬が走りやすいように導くのがアキラの真骨頂っす」
マスター「腕では川田の方が上だろ」
ガミ「ドッコイっす、伸びしろから言えばアキラの方が上っす」

バタン！カランコロン！店のドアが勢い良く開いて鐘の音といっしょにフクちゃん登場である。

フク「ハインド？何だ、それ」
マスター「唯一の芦毛馬で菅原明が乗るんだってさ」
フク「ビハインドで・・・後ろを走るってコトだろ」
オレ「巧いコト言うねぇ」
ガミ「何言ってんすか・・・黄金の雌鹿って意味でその名前のイギリスの帆船が世界一周してるんすよ」
フク「船の走力じゃ、一生リバーには勝てねぇよ、なっマスター」
マスター「おお、おっしゃる通り」
ガミ「船がリバーを制するんす、アキラが川田を制するんす」

勢い良く立ち上がって天上に向かい人差し指を伸ばして吠えたガミ。きょうのスナック・パドックは熱気が漂う店内となっていた。芦毛馬を見ると目がハート形になるガミが今回も熱い。キンキンに冷えた生ビールをグイグイ腹に入れ自熱を冷ましている。途中から排尿の間隔が近くなってトイレに足しげく通うこととなった。「バタバタうるせぇんだよ、トイレで飲めトイレで！」フクちゃんは怒り心頭である。「た、大変だよ」マスターが水浸しで川のようなトイレを指さして慌てている。「芦毛がリバーを制するんす」呂律の回らないガミが床に崩れる。ガミの思いは夢の中なのである。

マスター「リバーじゃねぇぞ、リバティだぞ」（#^ω^）
フク「自由な店だよな」