スナック・パドック「2023オークス」その６

マスター「３枠５番、どうよ」
オレ「もっと外が欲しかっただろうな」
ガミ「両となりが先行馬だからゲートから出やすいんじゃないっすか」
マスター「府中の2400ｍはスタンド前からのスタートだから内枠の方が客から遠くていいじゃないか」

バタン！カランコロン！店のドアが勢い良く開いて鐘の音といっしょにフクちゃん登場である。

フク「３枠５番、どうよ」
ガミ「今その話をしてたトコっすよ」
マスター「どこでもいっしょ、勝つのはリバ」
オレ「ゴージャスが11番枠に入っちゃたな」
フク「何かあるのか？」
オレ「11番と12番はゲートの継ぎ目で開閉機がすぐ横に付いてて空く時の音が近くで聞こえるんだ」
ガミ「ああ、見た事あるっす、音に驚いて立ち上がっちゃう馬を」
マスター「そいつは大きな不利だな」
フク「うんうん、そりゃぁ大きなハンデだ」

１番枠は内から３枠空けて使うし、18番枠は外から５枠空けて使うので開閉機から距離があるから音は気にならないが、２つのゲートをつないで使うそのつなぎ目にある開閉機は馬のすぐ横に設置されることになる。ゲートを開くために使用するのであるから致し方ないのであるが馬にとっては大きな問題となる。

フク「騎手が耳を塞いどけばいいんじゃないのか」
ガミ「そんなことしたら振り落とされるっす」
マスター「ゲートの音を録音して毎日馬に聞かせればいいんじゃないか」
オレ「習うより慣れよ・・・ってか」
ガミ「流れの中での一瞬の出来事だからなかなか難しっす」
フク「まっツキが無かったと諦めるんだな」
マスター「リバがその枠に入らないで良かったぞ」

生きていればいろいろな試練が待ち受けている。騒音被害は困った問題である。「子供の声がうるさい」との苦情から閉鎖された公園があるという。騒音にもいろいろあるが、開閉機の開くガシャ！っという音はビックリしいの馬にとっては死活問題である。馬の警戒心は半端ない、驚き方も半端ない。

フク「すべての馬が反応する訳じゃないんだろ？」
マスター「その枠から勝つ馬だっているんだろ？」
ガミ「あんた方みたいな馬だったら関係ないっす」