スナック・パドック「2023・２歳新馬戦」その４・アマンデビアンコ／レース後・２

ピューロマジックは、スタートで少し後手を踏んだが二の脚を使って中団まで押し上げた。この時の脚色はシャープで期待の持てる走りを見せていた。最初のコーナーを迎える少し手前でマジックは内にヨレて後ろにいたデザートトレイン(牡２・木幡育)と接触した。左後肢をぶつけた。ガクンと腰が折れるような態勢となりバランスを崩した。それでも何とか態勢を戻して走り続ける。最終コーナーを回る時には１０番手に位置してビアンコを前に見る形だった。直線に向いて脚を伸ばそうと鞍上が追うが反応せずズルズルと後退してしまう。結果は大差のどん尻負けとなった。明らかにあの接触によって故障を発症してしまったものと思われる。

マスター「ところで馬券はどうだったんだ？」
ガミ「馬単ゲット！あざぁっす」

今夜のスナック・パドックはガミの奢りで笑顔と笑い声が広がりパーッと明るく盛り上がった。後から駆け付けたフクちゃんも宴席に参加してガミの勝利にエールを送った。「しかし、芦毛や白毛が出るだけで軸が決まるんだから幸せなヤツだな、お前は」。それに対してガミは「いやいや、芦毛や白毛の根性には敬意を表するっす」ガミの瞳はキラリと光り少し潤んでいる。「なんか幸せだな」マスターが腕組みをして小さく頷いている。きょうのスナック・パドックはいつになくほんのり穏やかな風が吹き抜けているのである。