スナック・パドック「2023・宝塚記念」その８・レース後

マスター「さすが名手・武豊健在をアピールしたな」
オレ「パドックでは入れ込んで大汗かいてたから・・・あれが無ければもっと接戦に持ち込めたんじゃないか」
ガミ「牝馬であれだけ見せ場を作ったのは価値があるっす」
マスター「福永が乗ってた馬で武豊はテン乗りだったんだろ」
ガミ「入れ込んでいた分、どこで切れ味を発揮させるか考えてたんだと思うっす」

武豊・ジェラルディーナはゲートをそろりと出して待機策を選択した。前を見るとイノックスやパレスが中団にいるのを確認してしっかりと距離を保って走った。５００ｍ走って最初のコーナーを迎える手前ではイノックスが抑える作戦に出た。それを見たパレスとディーナも少し前だがイノックスが見える位置を走った。誰が最初に仕掛けるかと注目して見ていた。動いたのはディーナだった。３角手前からスパートをかけて外からパレスを交わし上がって行った。それに追従したのはイノックスだった。ゆっくりじっくりと同じく外を上がって行く。パレスはと言うと鮫島駿の手が激しく動いて追うもすぐには反応出来ない。４角ではディーナが早くも先頭集団に追いつく勢いで回った。その３馬身後ろをパレス、そしてイノックスが１馬身差でその後ろから上がって行った。直線を向くとイノックスの伸び脚がズバ抜けて速く、パレスを並ぶ間の無く抜き去り、ディーナが先頭を捕える前にこれも並ぶ間もなく抜き去った。ディーナは最後にパレスに差されて４着だった。

マスター「牝馬限定路線で走れば全部勝っちゃいそうな勢いだな」
ガミ「エリザベス女王杯は連覇確実っすね」
オレ「去年３着の有馬記念も視野に入っていると思うな」

今夜のスナック・パドックは夢の祭典の結果で盛り上がった。「惚れちゃったっす」ガミは注文したオムライスにケチャップ文字で「ディーナ」と書かせる始末。「いい加減にしろよ」マスターは軽く怒ったものの自分のオムライスには「武豊」と書いた。「あっそっちの方がケチャップが多いっす」ガミはつまらないところに目が行く。フウフウ言いながら二人はオムライスを口に運ぶ。当然、文字の部分だけが皿に残る。両者顔を見合わせヨーイドンで互いにスプーンでオムライスの真ん中を突っついてグシャグシャにしてしまう。「今年の宝塚記念も終わっちゃったな」本格的な夏を迎えるシーズンとなる。いざ、夏競馬開始！である。