スナック・パドック「2023・菊花賞」その２・Part２

今夜のスナック・パドックは菊花賞での下剋上を応援する場となっている。「これを飲んでみろよ」とマスターがカウンターに作り立てのハイボールを置くとカランと氷が踊ってグラスに当たる音が響いた。「また高級ウイスキーを仕入れたんすか？」ガミは興味津々でグラスを握りグビリと喉を通す。「ウマっ！」目ん玉を見開き驚きを表現した。「何このまろやかさは・・・さすが高級ウイスキーっすね」完飲するのに５秒とかからなかった。「もっと味わって飲めよ」マスターは折角のハイボールをもっと楽しめと戒める。「上品な味わいだなぁ」俺も感心しきりである。「実はさぁ、それは最悪の安物ウイスキーなんだよ」マスターがネタをばらす。レンゲの蜂蜜を混ぜてよ〜く掻き混ぜて馴染ませるのがコツらしい。「格下の馬でも何かが上手に加われば一気に勝利を呼び込むレースが可能なんじゃないのか？」マスターは西を向いて瞳を輝かせる。「蜂蜜の役目をするにはルメールっすね」ガミの眼もキラリと輝きを放った。さぁ牡馬三冠最後のレース菊花賞が行われる。思い起こせばメジロマックイーンも初重賞制覇がクラシックでファンをあっと言わせたがその後の活躍は歴史に名を刻むほどの名馬となったのである。ドゥレッツアも今は格下馬の扱いだが菊花賞の結果如何では今後の活躍が大いに見込まれる馬なのだ。頑張れ！ドゥレッツア！淀のターフを歓喜で盛り上げてくれ！