スナック・パドック「2024年・ＮＨＫマイルＣ」レースを終えて・Part３

「マスター、単勝ゲット、おめでとう」ボコッ！フクちゃんはこうべを垂れ過ぎてカウンターに諸にぶつけた。「痛ぇ！ガミ、こらっ！」こんな時のフクちゃんは何でもガミのせいにする。「芋焼酎を１本入れておくから後で名前書いといてよ」マスターはマジックをカウンターに置く。「ありがてぇなぁ」フクちゃんは口でマジックの蓋を取ると芋焼酎を抱えて名前を書き始めた。「ヴィエンチャン」と書いた。「何だ、それ」マスターは問い正す。「インドシナ半島近くにラウス人民民主共和国ってのがあってな、そのラウスの首都はヴィエンチャンなのさ」ラウスの首都、首都ラウス、シュトラウス＝ヴィエンチャン。昨日の晩に調べたらしい。酔っ払いにしちゃぁ上出来だな、マスターは感心仕切りなのである。その横でガミがスマホの画面をマスターに見せて「ラウスじゃなくてラオス人民民主共和国っすね」と間違いを見つけていた。マスターは口の前に人差し指を立てて「折角だからスルーしようぜ」とドヤ顔でグラスを口に運んだフクちゃんに笑顔で「博学だねぇ」と褒めて持ち上げた。「勝ってりゃもっと嬉しかったけどな」本音が出た。こんな小さな間違いはご愛敬である。そんな負けた馬のことよりも勝ったジャンタルマンタルを褒め称えよう。あんたは強い、ジャスティンミラノという強いライバルがいるが故にマイル路線を歩まなければならなかった逆境を乗り越えて良くぞ勝ち抜いた。あんたは偉い！今後のあんたの活躍を切に願う、頑張れ！マンタル！