スナック・パドック「ＷＩＮ５・その１」Part３

大き目のワイングラスを磨いていたマスターが「312,500円が5,163,170円になるんなら嬉しいじゃないか」と声を弾ませると「そりゃぁ結果論っす」ガミは後出しじゃんけんだと言う。「キャリーオーバーが発生した訳だから気持ちは大きくなるよな」オレは人間の欲深さを少しだけ分かっている。「俺もやってみるかな」マスターはワイングラス越しに目を輝かせた。「マスターは一番人気だけで５Ｒ買えばいいんでしょ」ガミはマスターの◎好きを知っている。「それじゃぁ配当金はショボいよな」オレはそれではＷＩＮ５の魅力が生きないと思っている。本日飲むジャックダニエルのハイボールは「欲」の味がした。オレは常々欲が一番深いのはＪＲＡではないかと思っている。競馬ファンの心理を見通していろいろ試している。ＷＩＮ５などはその典型で「当たらないから面白いんじゃないですか」と嘯く。売上げの３０％は必ず儲かる仕組みの頂点にいるＪＲＡは正に欲の塊りなのである。