スナック・パドック「ＷＩＮ５・その２」2025年10月毎日王冠の日・Part２

15票のうちの４票ということは残票の30％近くが５人気の馬に投票していたということになる。お見事！競馬を知ってますね。お目が高い。手元に４億7,500万円という大金を手にしたことになる。４票が４人であるとは限らないが、この展開を見ると４人の可能性は高い。

マスター「全レース全通り買ったらいくらになるんだ？」
オレ「ほぼ１億円は必要だろ」
ガミ「約５億円になったんすから御の字っす」
マスター「今回は荒れたから良かったけど人気上位ばかりが来た日にゃあ大赤字だぞ」
オレ「2018年暮れにあったキャリーオーバーの次の開催時は３万円の配当だったな」
ガミ「あったっすねぇ」
オレ「キャリーオーバー金があるといって浮かれたら大変な目に合う」
ガミ「１億円をつぎ込む勇気が欲しいっす」
マスター「勇気よりも現ナマ用意する方が先だろ」
ガミ「一度窓口でバッグに入れた大金で馬券を買いたいもんっすね」
オレ「震えるぞ」
ガミ「きっと口の中が緊張でベタベタになるっす」
マスター「えっ！何ですって？窓口のおばさんに聞き耳たてられるのがオチだな」
オレ「う、う、ＷＩＮ５全通りを100円ずつください」

今夜のスナック・パドックはＷＩＮ５の話題で盛り上がった。マスターがカウンターでフォークと箸を使って焼き魚の身をそぎ落としている。「何すか？」ガミがエビスの生ジョッキを片手に尋ねる。「鯛のカブトを焼いたんだ」器用に身をほぐし骨と皮と身に分けている。「鯛を一匹買ったんじゃ大枚を叩かなきゃならないけど刺身を作った残りのカブトだけ買うとビックリするほど安い」マスターはニコニコ顔である。皮は猫用らしい。「さぁこれを使って美味いもん作るぞ」立ち上がって仕分けした皿を持って厨房へと消えた。フライパンを使っている音とボールで何かを混ぜている音が聞こえてくる。「お待ちどう様」マスターは２つの平たい皿に盛りつけられた料理をカウンターに置いた。「こっちが鯛とキャベツの酢飯でこっちが鯛とレタスのパスタだ」そう言って小皿を４枚並べて「それぞれ盛り付けて召し上がれ」酢飯には大スプーン、パスタにはトングが添えらている。早速、オレとガミは小皿に盛り付ける。まずは酢飯を口の中に頬張って咀嚼。「ウマ！」二人とも顔を見合わせてＶサインを作って大満足ポーズだ。

・・・続く・・・