いつまでもどこまでも

いつまで生きるのだろう しかたない
まだ心臓が動いているから

百歳時代って どんな人のこと? 生きてて苦痛を感じない 見るもの聞くものに反応 しないから 苦痛も感じない

頭を使い、心配りして 事故や事件に悲しみ
風力、雨量の数字を読み 有形無形の営みに 関心を寄せていたら
時間が過ぎた…って

浦島太郎の話し
〈助けた亀につれられて 龍宮城に着きました〉♪ 働くことも考えることもなく 呆然と夢想の中に浸っていた浦島太郎 は 故郷に戻れば…時代遅れの役立たず
介護保険も使えず
仕方なく、海に潜って貝を取りに行く が
内臓が弱っていたのを忘れていた

肺は海水が溜まり水に充たされ 心臓は動きが止み
波が
龍宮城へと誘い始めてゆくが
太郎の体は
今まで吊り上げてきた魚たちの子孫の餌食となって 何一つ残らなくなった
とさ … おしまい