ユニオンで大物引くまでは。

中学生の頃に剛（長渕剛）にハマりまして、剛の古い歌ばかり聴いていました。高校生になったら、モーリスのアコースティックギターとトンボのブルースハープ（ハーモニカ）を買ってね、すっかりのめり込んでいました。だけどね、チンピラドラマや映画に出るようになったでしょ？あの頃からちーと剛は変わって行ったんです。歌も。歌い方も。声が出なくなった説もあるけど、CDで言うとステイドリームくらいがギリギリかな？その辺を境に、ボクみたいに去っていったオールドファンも多かったみたい。

そんな古き良き頃の剛の歌に、「顔」という曲があります。

『ひとつの山を越えたら
そこから下を見おろす人もいる
向こうにそびえるはるか高い山を忘れて
今の自分に酔う人もいる』

これなんですよ、これ！
ブラストワンピースが有馬を勝った後、燃え尽きてしまって。長かったですからね、配合論を掲げて、実際出資して検証する、という企画が。途中、ローブティサージュという子でG1を勝たせてもらいましたよ。だけど、自分の中では「あれは2歳のなんちゃってGIだから」と納得していませんでした。（その後古馬になって重賞勝ってくれましたが）とにかく、有馬を勝ったあと、『もうこんな走る馬に出会うことは無いな』と思ったら急に冷めてしまって。もう一口を辞めようと思ったんです。

そんな時に、先の曲のフレーズが頭に流れたんです。

『ひとつの山を越えたら
そこから下を見おろす人もいる
向こうにそびえるはるか高い山を忘れて
今の自分に酔う人もいる』

何やオレ、有頂天やん。全然やん。って。だってですよ、例えば息子の運動会に行きますよね、そしたら子供に親御さんに総勢4、500人いるわけですよ。それを見て、『オレってこんな沢山いるうちの1人なの？ブラストワンピースの会員ってこんなにいるの？！なのに「俺の馬」って…』恥ずかしくなって。もっと謙虚になろうって。

40口でGI勝ったら天狗になります。いや、ユニオンで大当たりを見つけたら、声高々に自慢します。なので今は、一口歴20年で、もう一度初心に戻ります。