第87回日本ダービー　展望

クラシックの予想をする際、距離適性よりも重視しているファクターがあります。力関係、です。若駒の間は、距離はごまかしは効き、古馬になって血の本質が出て初めて真の距離適性が出るものだと思っています。一方の力関係、これは2歳から3歳春までにおいての完成前段階では、完成度の高さや素質による差が大きく出てしまいます。

皐月賞は、無敗馬同士の、しかも２歳G1を制した馬同士の一騎討ちとなり、併せ馬のように２頭が後続を突き放して競っている姿はとても見応えのあるものでした。

普通に考えれば、この2頭の勝負となるのでしょうが、サリオスは完成したら、名マイラーになると適性予想をしているので、距離が延びて逆転！とまでは想像しにくいです。しかし、素質的には互角なので、大きく差は広がらないにしても、コントレイルとサリオスの間に付け入る隙はありそうな気がしています。

その候補は、弥生賞を制して臨んだ皐月賞惨敗からの巻き返しを図るサトノフラッグと、その弥生賞を2着で皐月賞切符を手にしたにも拘らずパスしてダービー１本に目標を定めて臨んできたワーケア。

前者サトノは、皐月賞で完全に勝負付けが済んだ感があるだけに、後者のワーケアの方が『皐月賞よりダービー！』という潔さがなんとも不気味。それと、サトノの鞍上、これはルメールは合わないと見て豊に戻した、と取るべきか、ルメールサイドがダービーはワーケアの方に分があるとみてサトノからワーケアに戻った、と取るべきか。何れにしても、コントレイルを逆転するのは難しく、あくまでコントレイルとサリオスの間に割り込む、という話ですが。