とあるグルルの日常

今から20年ほど前、当時小学生だったグルルには楽しみな時間があった。


それは夕方から始まる再放送アニメを見ること。


当時はちょうどドラゴンボールがやっていた。



その日もいつものように学校から帰り、手洗いうがいを済ませてお菓子とジュースをスタンバイし、テレビの電源をつける。


そしてこのドラゴンボール観賞はグルル母の楽しみでもあった。


アニメの始まる数分前、グルルは母に声をかけた。


グルル「お母さんもう始まるでー。」

母「待って待って！コーヒーいれな！…あれ？ここにあったお菓子知らん？」

グルル「もう持ってきてるから早よー！」


そうこうしているうちにアニメのオープニングが始まった。



そしてこの日はいつもの「チャ〜ラヘッチャラ♪」からのスタートではなく、前回のあらすじからのスタートだった。



内容は、牛魔王の家が火事になり悟空はかめはめ波で炎を消けせるのか！っといった感じ。


純粋無垢だったグルルはかめはめ波で消化できるのかをドキドキしながら見守ろうとしていた。



が、しかし。



何かが違う。



テレビにはいつまでも燃え盛る炎が映っていたが、こんなんだったか？


グルルは何とも言えないモヤモヤした気持ちになっていった。


さらに流れ始めたオープニング曲が変わっている。



何か分からないけど不安だけが押し寄せてくる。



そして純粋なピュアハート打ち砕く衝撃の出来事が起きたのだった。




画面の炎の奥からゴリゴリマッチョな人影が現れた次の瞬間！


「your shock！！」

ガビーン！Σ（￣□￣;）



そう、テレビから流れてきたのはクリスタルキングの愛を取り戻せ。


純粋グルルの脳内は[何で？何で？何で？何で？何で？何で？]とややパニック状態。



そんな中、グルル更なる異変に気付いたのだ。


何が畳を叩く音…。


グルルはとっさに音のする方に目を向けて思わず叫んだのだ。


グルル「みちこぉーーーーーーっ！！！！！！！！！！」



母、みちこはshockのあまり持っていたコーヒーを垂れ流したまま立ちすくんでいたのだ。



その後、ドラゴンボールを押し退けて始まった北斗の拳には目もくれず、二人で仲良く畳を掃除したのでした。



グルル少年より、アラフォーみちこのほうがピュアなハートの持ち主だったようだ。




おしまい。