激しく強く美しく。

悲鳴の様な声が聞こえたのは、午後４時を回る頃だったか。

実家の庭で子供を遊ばせていたが、実家からだけでなく、隣家からも聞こえてきた。

「やられたのか？それとも」

前半終えてスコアレス。そこまでの情報は得ていた。

耐えかねず息子を残して実家に飛び込む。歓喜の瞬間を目にすると、すかさず息子の元へ。

ミーハーだろうと思われても仕方がない。

だが、28年前の準決勝。県勢として初めて国立のピッチに立った前橋商業が、愛媛・南宇和に完敗したあの試合を見ていた群馬県人であれば、以降国立でたった一度も勝てなかった、県勢の過去も知っているはずだと思う。

長かった。舞台は国立から埼スタに移ってしまったが、この際そんなことは関係ない。

プレミア昇格戦敗戦のショックは充分に晴らせた。しばらくは、この歓喜に酔いしれていたい。