15件のひとこと日記があります。
2013/02/27 07:28
ギャンブラー作家たち(その1 伊集院静)
私の好きな作家はギャンブルの姿勢がよい人が多い気がする。もちろん皆ギャンブルをする訳ではないが、する人はその背中がよい、と言ったほうが正しいか。読む気がしない本の作者の競馬場、競輪場の姿勢を、他の作家の著述から知ると、やはりなぁと思うことが多い。
伊集院静。
「海峡」三部作は素晴しい。今はない逗子渚ホテルを思い出す人もいるだろう。
「いねむり先生」の刊行予定が発表された時、書店の店長をしていたので、すぐ集英社の地区営業担当に電話をした。「色川武大と伊集院静のフェアをしたいのですが初回30部ほど指定をつけていただけませんか」
「えぇ?」とおっしゃるので「あ、色川武大つまり阿佐田哲也がいねむり先生なんですけど」
昔、集英社の入社試験で少年ジャンプの現場の方も少しとぼけていらっしゃたのを思い出した。快く了解してくれて新刊にあわせてフェアを開始した。
左に色川武大、右に伊集院静を平台に並べ、真ん中に黒鉄ヒロシの「千思万考」をちょこんと。二人を出会わせた方なのでね。井上陽水のCDまでは置けません。
「いねむり先生」では弥彦の場面が特に好きだなぁ。たしか「夢は枯野を」だったか、他の本でも弥彦の描写が温かかった気がする。
私は今新潟在なので越後線に乗ればすぐ弥彦に行ける。花の季節に弥彦で温泉につかれば阿佐田哲也や伊集院静の気持ちに少しシンクロできるような期待でいる。