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2013/08/15 20:48

寺山修司 (その1)

グリーンチャンネルで「競馬を愛した人〜寺山修司(1998年制作)」を再放映していた。

私は学生時代から社会人のはじめ頃まで東横線の沿線で暮らしていた。
ハイセイコーが敗れるの見たのも確か平町の飯屋で、偶然だった。
渋谷方面に遊びに出ると、代官山の谷を出た東横線がゆるやかなカーブで渋谷の街に下って行く。そのカーブから並木橋の方におどろおどろした天井桟敷の正面がいつもよく見えた。

戯曲、映画、文学、歌謡曲、ジャズ、短歌、競馬・・・また生活者としての寺山修司。
どれも魅力的だが、共通しているもの・・・全寺山を研究したわけでもない私が論ずるのもなんなのだが、そこには「美しいものへの傾注」があると思う。それも美学的な「美」ではなくたぶんに「エモーショナルな美」だった。

「寺山修司青春歌集」の短歌などがその原点だと思う。リアリズムを少し欠くように感じる短歌だが彼の美に対する希求は充分に伺える。

だから、競馬なのだろう。
ミオソチスタマミトウショウボーイなど美しい馬に対する愛情は当然だし、競馬場を舞台として立ち上がるエモーショナルな戯曲を表現する彼の文章は素晴しい。
昔JRAの広報誌に彼が書いた「競馬の5つの愉しみ(?)」もとてもいい競馬の本質論だった。

そういえば優駿編集部のY氏から「僕は寺山修司と同郷と言って面接通ったんです」と聞いたことがあった。

晩年の寺山修司に一度だけ会ったことがある。彼は新宿の京王プラザホテルを仕事場にしていたが、そこのブックショップですれ違った。
会ったのは一度きりだが、学生時代から長い間寺山ワールドはいつも私の傍にあった。

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