東京優駿2020

　東京優駿が終わりました。今年はここで全く書きませんでしたが、ちゃっかり参加しました。わずか3000円ではありましたが単勝的中です。今回はネットでの参戦でしたが、なかなか収穫の多いレースとなりました。これからそれを書きます。

　今年のクラシック戦線はコントレイルが断然だと思っていました。パドックで二度見ましたが踏み込みがしなやかで瞬発力がありそうです。無駄な肉がつかない。そして何より王者の雰囲気を感じさせる馬です。2400mも全く問題ありません。これだけクラシックがピタッとくる馬は滅多にいません。

　対抗馬は長らくワーケアだと思っていました。これも二度見ています。筋肉が柔らかい馬です。東京での瞬発力にも魅力があります。ただし馬体が緩く特にホープフルＳ、弥生賞では太く見えました。一息入れたのは良いと思ったので、あとはどれだけ削れるかだと考えていました。

　他は…サトノフラッグのパワー、ダーリントンホールの馬体は距離延長でとか、ディープボンドもパワーはありそうだなと感じていました。でもこれらの狙いはかなり下の方です。基本的には上２頭だと思っていました。

　レースの数日前にあることを考えました。「結局東京優駿は「最も瞬発力がある馬」が有利で、次に「最もパワーがある馬」なのではないか」ということです。どうもこの１年ずっとロジャーバローズのことが引っかかっていて、なぜあの馬が好走できたのかということを考えてきました。本来合わないはずのパワー型がなぜ激走したのか。

　それはですね、非常にパワーがある馬はどこでも走れるということなのです。確かに東京では瞬発力のある馬にやられますが、２，３着は確保できます。近年で言えば2015年はサトノクラウン（3着）、2016年はディーマジェスティ（3着）、2017年はアドミラブル（3着）、2018年はエポカドーロ（2着）が該当します。そしてついに2019年はロジャーバローズが頂点に立ちます。パワー型でも東京優駿を制することがあるのです。

　今年の馬を改めて整理すると、瞬発力ならコントレイル、パワーならサトノフラッグですが、ワーケアは兼備していると考えました。しかし、今から考えるとワーケアに関する考えは中途半端でした。何事もトップでなければなりません。

「東京11R。東京優駿。コントレイルは好気配。東京優駿仕様に削ってきた。サリオスは細くは見せない。胴が伸びたように見えるのが成長であれば。サトノフラッグは覇気という点が一息。ワーケアは馬体に余裕があり、前捌きに硬さがある。上がってない。ヴェルドライゼンデは実に柔らかい捌き。ヴァルコスは素晴らしいデキ。」

　レース直前、あるところにこのように書きました。実際には馬名は番号だったのですが、ここでは分かりやすいように書き換えています。実はここで反省が必要になります。ここまで全く触れていないサリオスが驚異的な成長を見せていたからです。そしてそれを懐疑的ながら見抜いていました。以前は明らかに筋肉量の多いマイラーでしたが、ここにきて胴が伸びて距離をこなせる体型に変化しました。さすがはハーツクライです。パワーも実はトップクラスです。本来はパワー型の中心としなければなりませんが、距離が長いと思って挙げませんでした。ここは事後修正が必要です。パワーならサリオス。

　対照的にワーケアは全くデキが上がっておらず、ますます筋肉量が増えてマイラーになってしまいました。これでは距離はもちません。事実直線は失速。いい馬であることは間違いがないので秋以降の成長に期待します。負荷をかけると硬くなってしまったのでまだ体質も弱いままです。あと映像ながらヴェルドライゼンデのデキを見抜いたのは我ながら秀逸でした。皐月賞の時も柔らかい捌きでしたが、さらに覇気があって動きが良化。芯が通った感があります。これもかなり成長したのでしょう。恐れ入りました。ヴァルコスも良かったのですが外枠が響きました。このように、瞬発力、パワーに加えて「もっともデキがいい馬」というのもパドックから拾える馬です。

　東京では瞬発力がある馬が有利ですので人気になります。パワー型は穴馬です。では中山ではどうかと言えば、やはり穴馬はパワー型です。つまり馬券はパワー型の穴馬を買えばいいのです。この単純な整理は、しかし意外と真理を突いている気がしています。コロナ禍のためパドックには立てなかった今年の東京優駿。しかも昨年の終了時からこのレースに限らず大レースから撤退した私ですが、普段の馬券を買うのにも大いに参考になる考察をまとめられたと思っています。次にパドックに立てるのはいつでしょうか。楽しみにしています。そして来年は東京優駿のパドックに立ちたい！