競馬に関する各情報の効果について

競馬に関する各情報の効果について検証する。
競馬新聞…成績を一覧形式で確認できる。展開予想。調教。勝ちポジを読むには役に立つか。人気度合いが分かるというメリットもあるか。
競馬雑誌…特別登録馬を一覧形式で確認できる。重賞においては能力比較に役立つかもしれない。
ＶＡＮ…レース結果が分かりやすい。パドック及びレース映像を確認できる。ある程度の適性、能力を測ることができる。
レープロ…基本的には出走馬しか載っていないため、余計な情報がなくメモ用には最適（笑）冊子なので保存、振り返りも容易にできる。
グリーンチャンネル…リアルタイムでレースを見るには必須。
パドック…馬を見るにはここに行くしかない！能力、デキを確認できる。

ネット派は事前情報が命なので、競馬雑誌、競馬新聞、ＶＡＮ、専用アプリなどを駆使して情報を獲得し、分析した後買い目を決めていると思われる。パドックを組み合わせる人もいるだろうが、ほとんどはＧＣなどネットで閲覧するだろう。基本は成績、調教といった過去の実績に加えて新聞などの予想をアレンジしているものと思われる。

一方、現地派はネット派が行っていることに加えてパドックで馬を見て馬券を買っている。この「ハイブリッド型」が主流であると思われるが、中にはパドックのみで判断する人もいるだろう。つまり、大きく分けると「完全ネット派」「ハイブリッド型」「完全現地派」に分類できる。「完全ネット派」は過去情報が主流、「完全現地派」は馬のみ、そして「ハイブリッド型」は折衷となる。ウエイトは人により異なる。

ところで、オッズは何によって形成されるのか。あくまで推定だが、ほとんどは事前情報によるものと考えられる。特に馬がパドックに出る前は事前情報で買うしかない。パドックの情報がオッズに反映されるのは馬が出てきてからだ。だが締め切りまでの間、オッズの推移はパドック情報のみで動くわけではない。相変わらずネット派も馬券を買うからだ。売り上げの相当部分は直前になるものの、その基礎は事前情報に基づく購入により形成されるので、ネット派が大きな影響を与えていることは間違いがない。逆に言うと、パドックに基づく影響は小さいので、デキのいい馬が過小評価されている可能性は高まる。特に成績が伴わない馬はなおさらである。実際本当の意味で馬の能力やデキを確認できるのはパドックしかない。しかもそれを的確に把握できる人は極めて少ないと思われるので、「自分しか知らない」情報を獲得できるチャンスがある。またパドックは物理スペースであるため、そこにいることができる人数が限られる。ネットを使えばほぼ無制限に参加者を拡大できるが、パドックはそうはいかない。この点も現代においてはパドック派のシェアを下げる要因となる。もちろん、ギャンブルにおいては独自性のある少数派は有利となる。「みんながそう思う」対象物はオッズがつかない。競馬においては人気のある馬をみんなが「強い」と思って買ったらオッズは小さくなる。パドック派は逆を行ける貴重な存在である。

「逆を行ける」のであれば何でも良いわけで、調教でも「走るパターン」が分かれば使える。ただしその情報は広く公開されており、数日前には万人が知るところとなるので徹底的に分析されてしまう。まして今後調教時計がほぼ自動で計測されるようになると、即時共有される可能性もある。さらに映像も公開されるかもしれない。分析には一定のノウハウが必要であるとしても、逆を行くツールとしてはインパクトがないものになると思われる。将来は馬の成績欄と同じレベルになるのではなかろうか。

その点現地パドックは未来永劫今と変わらない。無観客での開催が続かない限り、パドックに入れる人数には制限があり、ノウハウを獲得できるのはごく少数であろう。実のところ、パドックで馬を見ている人であってもほとんどの人にはノウハウがなく、なんとなく見ているにすぎないか、完全に誤った知識に基づき判断している。ネット時代においてそのシェアは年々低下していると考えられる。

改めて冒頭を見ると、ほとんどはお金を出せば手に入る情報だが、唯一パドックの情報だけは手に入らない。馬を見るしかないからだ。もちろんノウハウのある人に見てもらって買う（それはどの情報においても言えることではある）こともできるが、その人がいなかったら買えない。他人任せでゲームに勝っても面白くない。パドックは自分でやろうとする人には最適な舞台だ。