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2021/08/21 21:51
アルトシュタットの初勝利に寄せて
アルトシュタットは8/21小倉1Rに出走、見事1着となった。前走後は翌週の木曜から日曜まで坂路に入り、続戦を予感させていた。そして水曜に追いきってきた。この厩舎は金曜追いを基本に据えているので、水曜に追いきるということは当週の出走が予定されていると予測できた。果たして想定で6頭(実際には9頭立て)であった小倉1Rに投票してきた。一連の動きについては掲示板にコメントを書いているので参照願いたい。的確に読み切っていることが分かる。
さて、前走後に掲げた課題は次の通りであった。
◆パドックではテンションが高く馬っけを出し…
◆首が高く前捌きが窮屈
◆馬体はまだ緩い
◆写真で見た両膝のかぶりを含めて前肢には不安があるように思える
◆可動域が狭く気性的にも短距離向きだろう
◆首の高さや前捌きの窮屈なところを見ると芝よりはダートかもしれない
◆今回は直前の運動量が少なく
◆何よりも真面目に走らない気性の矯正が必要だ
これに対する今回の応答は次の通りである。
●パドックでは落ち着いて周回し、全身に力が入っていたのがリラックスして歩けるようになった。馬っけは時折出していて相変わらず集中力には欠ける。
●首からも力が抜けたので首を使って歩いていた。
●馬体は8キロ減って全体的に絞れた。ただしまだトモを中心に緩い。
●歩いている分には前肢には問題はない。
●これも力が抜けたからか、前肢の可動域が広くなった。踏み込みにも改善が見られる。総じて動きが大きくなった。
●道中は首が高かったが、直線半ばから首が下がった。時計を含めて芝適性は十分にあることが確認できた。
●中1週でも運動量は確保していた。
●スタートから道中は真面目に走っていないので騎手が追っつけていたが、直線では頭が下がり舌も出さず最後まで懸命に走った。
比べれば分かるとおりかなりの上積みがあったと言ってよい。初戦は集中力を欠いているばかりでなく緊張していた。今回はリラックスして歩いていたので動きが大きくなった。走りも後半部分が大きく変わった。最後まで真面目に走ったのは大きい。競走馬としての役割を理解したかもしれない。道中はボケッとした感じだったが、かかって制御できないよりはいいだろう。3コーナーで楽についていけるようになればもっと簡単に勝てる。絞れたのも馬体面ではプラス。さすがに中1週では絞まらなかったが今後の成長に期待できる。前回は芝ダートの適性については判断を保留したが、前半33秒台のスピードについていき、1.08.3で走ったのだから芝適性は疑いの余地がなくなった。今後ダートの方が良くなる可能性は残るとしても、当面は芝で走れば良い。
ところで前回は全く触れていないのだが(それどころではなかったので…)、この馬の距離適性に言及しておく。今のところは1200mがベスト、1400mでも時計勝負ならこなせる可能性があるということになる。新馬戦は1600m、瞬発力勝負で全く及ばなかった。デキや気性の問題はあったにしてもここに高い適性があるとは考えにくい。スピードだけでこの距離を克服するのは難しい。一見すると騎手の挙動から「距離が短い」と考えがちだが、騎手のコメントにもある通り、能力ではなく気性面から気合をつけざるを得なかったので、能力的には適合していると考えられる。スピード、パワーに優れるスプリンターというのが一応の像である。今後はある程度の瞬発力勝負にも対応するのか、それともスピード一本槍なのかを見ていくことになる。一度極に振る、つまり外回り1400mで瞬発力を出すレースを試す手がある。直近では10/24東京1400mがある。スピードレースに絞るなら阪神1400mが10月から毎月組まれている。陣営がどのように判断するか楽しみだ。