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2018/01/29 00:30
偽美談 第2章
「競馬で残り15万円の資金を作り、クリスマスプレゼントとして嫁さんに指輪を買う。」
この企画は有馬記念当日までと期限を決めた。
紛れもなくミッションだ。
手元にあるなけなしの4万円が無くなればゲームオーバー。
プロ馬券師と言われる人ならば、これくらいの勝負は容易なのかもしれないが、自分は10年のブランクのある素人馬券師だ。
故に一発大勝負は御法度である。
数え切れないほどのレースを買ったが、掻い摘んでG1をメインに振り返る。
最初のレースは、11/5、G2アルゼンチン共和国杯に決めた。
スワーヴリチャードの古馬初挑戦となったあのレースだ。
馬券を買うのは実に10年ぶり、出走メンバーの中で、主役のスワーヴはもちろんのこと知っている馬は居ないに等しい。
「名前だけなら知っている」レベルである。
さぁどうする。
悩んだ挙句、知識のない自分としては手堅く3連複6頭ボックスの20点勝負とした。
この時選出した馬ははっきり覚えていないが、結果はなんとなんとまさかの的中。
半端ではない汗と緊張感だったが、記念すべき初戦を奇跡的に勝利で飾る事ができた。
テレビの前で精一杯ガッツポーズを決めてみせた。
配当は3,020円。
均一200円購入だったので6,040円の的中となった。
たった2000円ほどの利益しかなかったが、実に幸先のいいスタートである。
ありがとう、スワーヴリチャード。
そして途中参加だが、秋のG1ロードに乗っかる。
エリザベス女王杯。
今でも忘れない。
ここは3連複軸1頭5頭流し。
週頭の月曜から前日の土曜日まで、本命はクロコスミアだった。
しかし当日になり、悩み抜いた末軸をスマートレイアーに変更。
相手をミッキークイーン、モズカッチャン、ヴィブロス、ディアドラ、クイーンズリング。
なんとクロコスミアを紐にすらせず、切るという大失態をやらかしてしまう。。
結果はご存知の通り、クロコスミアが見事粘りこみ2着。
あの悔しさは今でも引きずっている。。
G1 1戦0勝1敗。
気持ちを切り替えマイルチャンピオンシップだ。
ここは3連複6頭ボックス。
エアスピネル軸、相手をペルシアンナイト、サングレーザー、レッドファルクス、レーヌミノル、クルーガー。
なんとか的中。
配当は9,300円。
これには400円賭けていたので、37,200円の払い戻しを得た。
G1 2戦1勝1敗。
競馬を再開して3週間が過ぎ、その間有り余る時間を費やし過去10年分のレース結果やデータ分析、活躍した馬も調べ、この頃には半ば今の力関係を把握しつつあった。
そして続くジャパンカップ。
自分を競馬に舞い戻らせたキタサンブラックのラスト3戦の2走目だ。
ここまでどういうわけか順調にそれなりの利益を得ていた自分は、恩人とでも言うべきキタサンブラックの一戦ともあってここを勝負レースとし、決めに掛かった。
レース前の評価としては、キタサンブラックは不良秋天の疲れがあり怪しい、有馬前でもありお釣りを残した仕上げだ、という大方の見方と同じく自分もそう予想していた。
レイデオロはメイチ。
サトノクラウンはデムーロで怖い。
相手はレイデオロ、サトノクラウン、シュヴァルグラン、ソウルスターリング、マカヒキの6頭。
ここまでなまじ順調に来ていたことで調子に乗っていた自分は、少し考える。
気になっていたのは、キタサンブラックの有馬記念引退が決まっていた訳だが、年末に某国営テレビ局でキタサンブラックの特集が決まっていると聞いた事にあった。
G1 最多勝利、最多獲得賞金が掛かるこの引退の一連のドキュメンタリーとなれば、何かシナリオじみたものがあってもおかしくない…。
これは秋古馬3冠あるか…?
そう思い始めると、そうなる気しかしなくなってしまった。
そこでいつもなら3連複6頭ボックスなのだが、ここではキタサンブラック頭のレイデオロ、サトノクラウンへの馬単と、なまじ得た知識で牝馬実績を警戒し、キタサンブラック、ソウルスターリングの3連単軸2頭流しにしてしまったのが運の尽き。。
結果はまさかのキタサンブラック3着。
そうか、3着か。。
俺もまだまだだな。
このレースには全てで4万円程投入していたので、大きなマイナスとなる。
うろ覚えたが、この時点でたしか収支マイナス2万円程ではなかっただろうか。
コツコツ積み重ねて来たプラス収支が一気にマイナスに転じてしまった。
G1 3戦1勝2敗。
収支もG1 成績も負け越してしまった。
しかしクヨクヨしてはいられない。
まだまだ有馬記念までは時間がある…
続く…